1. プロローグ
妻の背中に1ミリ台の白い突起物ができた。 地元のクリニックでは「切ってはいけない」と言われながら千葉市土気(現・千葉市緑区土気)の診療所で「切りましょう。大丈夫」と言われた。 妻は「大丈夫」のことばを信じて切開した。&n…
妻の背中に1ミリ台の白い突起物ができた。 地元のクリニックでは「切ってはいけない」と言われながら千葉市土気(現・千葉市緑区土気)の診療所で「切りましょう。大丈夫」と言われた。 妻は「大丈夫」のことばを信じて切開した。&n…
「ひとにはそれぞれ『結婚したい年』というのがあるんや」 こう切り出したのは、高嶋易断三世呑象の高嶋弘光氏だ。 自らが対談で登場し…
わたしは郷里、岡山県の両親に彼女を引き合わせると、父は「なかなかいい娘さんじゃないか?」と歓迎し、母は「東京で就職してまだ2年だけど大丈夫なんか?」とクギを刺した。…
天国にいちばん近い島で夫婦喧嘩 映画「天国にいちばん近い島」で一大ブームとなったフランス領ニューカレドニア。 森村桂著『天国にいちばん近い島』(角川文庫…
新居は仲人と妻の会話で埼玉県川口市の奧山ビル4階となった。「南向きの陽当たりと見晴らし抜群のVIPルームが空いたから入らないかい? 敷金と礼金はタダでいい。ただ…
不動産めぐりと金ピカ支店長 妻が長女出産後まもなくして、第二子を身籠ると、マンションが手狭になる。 新聞を開くと本紙よりもチラシのほうが厚く、なかでも不…
長男誕生とマイホーム取得 家族で大網白里町(現・大網白里市)を訪ね、駅前の不動産会社で、草加とは一転、気の弱そうな腰の低い営業マンに町内細草の物件を案内してもら…
次男誕生とワーカホリック 大網へ越して2年余りたち、妻が第三子を妊娠した。 夏季休暇を8月13、14日、17日の3日間とし、妻が…
妻の背中のスミピザ スタッフ3〜4程度の少人数で毎月100ページ前後の月刊誌を制作・発行するため、1週間のうち1日は夜中の2、3時まで働き、近くのカプセルホテル…
ガン宣告「『あさっての7月31日に夫婦揃って再来するように』と千葉大病院から連絡があった」と妻から会社へ電話があった。 わたしは…
入院前夜 あまり寝付かれなくて朝5時に目が覚める。「そうだ、会社へ行こう。会社で加藤佳寿夫専務(当時)へ報告し、当分のあいだ休暇をもらわなければ」と思い…
妻の入院 朝6時に目が覚めるが、妻はここちよく眠っている。「神様はなんでこんなに、か弱く、やさしく、愛らしい人間を追いつめなければならない?」と哀しい怒…
母・義母の加勢 早朝5時30分、洗濯機の音で目が覚めた。 両おばあさんの意気込みを感じる。 この…
帝王切開で三男誕生 8月6日9時から妻の帝王切開の手術がある。自宅を6時過ぎに出て病院へ7時に着き、義母とふたりで手術室へ見送る。「大丈夫じ…
義母・次男・わたしの共通点 自宅を8時に出て、9時前後に千葉大病院の裏門あたりにさしかかるが、車が渋滞で一向に進まない。義母を降ろして、わたしだけ海浜病院へ向か…
次男との共同生活 義母と電車で千葉駅まで行き、病院までのバス停を教え、わたしは総武線快速で会社へ。 原稿を午前中に完成させたのち…
皮膚科への転科 K誌9月号ゲラのチェックの締め切り日だ。 午前中いっぱい未着手の校正を行い、会社へ電話し10カ所ほど修正を依頼。…
弟夫婦の早朝の来訪 いつものように炊事・洗濯を行い、午後大学病院へ向かう。途中、千葉市あすみが丘(現・千葉市緑区あすみが丘)のシューベルトで、ショートケーキを購…
妻の一時退院 抗がん剤治療前の小休止で、田川一真医師が妻に外泊許可を出してくれたので、11時に弟たちと一緒に迎えに行く。 6人部…
「東京だよおっかさん」 K誌9月号下版後の校正締日だ。すでにゲラを入手し校正を終えている。 家での早い朝ごはん後、弟に「部下へ電話で伝えるより直接話した…
初の抗ガン剤治療 以前、隣家の畑山実さん一家に「預かるよ」と言われていたが、前日に加藤佳寿夫専務(当時)から「会社へ連れてきても大丈夫」と了解を得たので次男を同…
朋あり遠方より来る 原稿作成に取り組んだのち千葉大病院へ行く。 妻は「きょうの注射は、板東真子先生だったのよ」と言う。わたしが「どうだった?」と不安そう…
泣かない三男 千葉大病院で妻を乗せ、海浜病院を訪ねる。看護婦さんから「(三男は)きのう初めてお風呂に入ったんですよ」と言われる。妻は三男を抱っこして、ミルクを飲…
長女・長男の帰宅 きょうは母が長女・長男を連れてきてくれる。のぞみ号が東京駅13時24分に到着するので、自宅を10時半に出発して、いったん千葉大病院の駐車場へ車…
悪性黒色腫の切除手術 きょう8月29日は、妻の、お腹に続いて背中の手術だ。 わたしは朝ごはん後、7時45分に家を出て、千葉大病院の皮膚科へ8時50分着。…
ひとりで食事ができる 妻に「いびきをかいていたね」と言われる。痛みが緩和し、冷静になってきたのかもしれない。わたしが「調子はどう?」と尋ねると「きょうはだいぶい…
夜の訪問者 8時前に病室を出て、原稿作成のため会社へ出勤する途上で部下から電話がある。「岡山産のおいしい葡萄が届きました。ありがとうございます」…
泊まるだけ介護 小学校の夏休みが終わり二学期が始業。 長女・長男を小学校へ送り出すと、母と次男とわたしは千葉大病院へ向かうが駐車…
三男退院後の深夜の授乳 海浜病院での三男の退院の日を迎えた。わたしが医療費支払い中に、母が三男へミルクを飲ませる。 その後、佐久間瞬医師からミルクの授乳…
結婚指輪とステージⅢ 2階のFAXに着信があったのでゲラの校正を行い、会社へ電話で修正を指示。 土曜にもかかわらず、部下の両主任が奮闘してくれている。「…