295.「1年間、カナダへ語学留学したい!」

  1. 朝飯前の朝飯

「1年間、カナダへ語学留学したい!」

三男は大学の2年生まで順調に単位を取得し、わたしに相談をもちかけてきた。

「おとうさん、この大学を出てもまともな就職ができないと思う。ぼくは結婚もしたいし子どももほしい。なので1年間、カナダへ語学留学をさせてくれませんか?」

「就職のために英会話やパソコン、簿記会計の知識があれば有利に違いない。慶應義塾大学の高橋秀明教授は大里総合管理のフォーラムで『若い時代の海外の武者修行が、その人間をひと回りもふた回りも大きくする』とおっしゃっていた。海外留学はいいことだと思う。ただし、中学、高校時代にいちばん苦手だった英語の、しかもネイティブの授業についていけるのか?」

「やろうと思っている」

「第二次大戦中の日本は竹槍でアメリカ軍の戦闘機に立ち向かおうとして散々な目にあった。精神論だけじゃダメだぞ!」

「わかっている」

「大学はどうする?」

「うちの学部はスポーツなんでこれまで語学留学する人間がいなくて休学制度がないらしい」

「ということは3年生のとき大学へ行かないのに授業料をまるまる払って、4年生で3年と4年の2年間の授業を受講してゼミにでて、一緒に就職活動も行なうということだぞ」

「わかっている」

その場にいた新妻が口を開いた。

「カナダへ行く前にTLL言語研究所の竹村和浩先生の門をたたいたらどうかな? 1回の授業料が高いけど効果があるみたい」

「どんな特徴があるの?」

「発音重視なの」

「わかった。TLLとカナダな。今後、金はだすが口はださないことにする」

わたしはベストセラーの『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を読破し、一気にアドラー心理学の虜になると、岸見一郎氏のトークショーを紀伊国屋サザンシアター、講演をNHK文化センター青山教室で立てつづけに聴いた。

よって「三男が留学して成果をださなかったとしても、それは自分(親)が困るわけではない。三男の課題だ」と「課題の分離」をマスターしていたのだ。

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