254.次男が講師を怒らせ最悪の展開に……

  1. 朝飯前の朝飯

次男が講師を怒らせ最悪の展開に……

 奥星学園余市高校3年B組担任の家田堅太郎教諭からまたまたショッキングな電話があった。


「おやじさん、息子の指定校推薦が取り消されました」

「(次男は)なにをしたんですか?」

「ホームヘルパー3級の課外授業で外部講師の先生を怒らせてしまいました。ふたりでふざけていて、ひとりはすぐに謝ったのですが、息子はずっとふてぶてしい態度をとりつづけました。その先生は『もうこの学校へは教えにきません』とも言われました。それだと来年以降の希望者の学習機会を奪うことになりますから」

「ご迷惑をおかけしました。家田先生が紹介してくださった指定校推薦がパーになるんですか?」

「なしです」

「それは覆せないのですか?」

「先ほどの職員会議で決定したのでムリです」

「学校の推薦がないとなると、大学はどうなるのですか?」

「一般試験を受けるしかありません」

「奥星余市高校に一般試験の受験対策はあるのですか?」

「ありません。みんな推薦ですから」

「わかりました」

 次男に電話する。

「なにをやらかしたんだ?」

「勝手に怒り出した」

「あのなー、ひとは勝手に怒るもんか? 怒らせることをしたからだろう。もうひとりはすぐに謝ったらしいじゃないか?」

「助けてくれなかった家田が悪い!」

「ふざけたことを言うな! 家田先生は『内申点が4.8でも5.0とかわらない』っておまえをかばってくれたじゃないか? ホームヘルパー3級だって、『資格があると有利だから受けさせてほしい。授業料を35,000円振り込んで』と言ってきたのはおまえだろう。それをまじめにうけないでどうするんだ。とにかくひとのせいにするな! 『自分がわるかった』という考えをしないとまた同じように失敗するぞ!」


「……(黙して語らない)」

「これからどうする?」

「一般試験を受けたい」

「勉強しなきゃ受からんぞ!」

「わかっている」

「ならば指定校推薦で行こうと思っていた関東学院大学を受けろ! 受験の手続きは自分でせよ。試験日と受験料は事前に知らせよ」

「わかった」

「東京の家は狭いから冬休みは岡山の実家の離れで勉強させてもらえ。お願いしておくから」

「わかった」

 あらかじめ入手していた関東学園大学の資料には「新しく男女の寮ができる。来年度の新入生の推薦の合格者から順に希望をうけつける」とあった。

 しかも関東学院大学と言えば将来の宰相候補、小泉進次郎衆院議員の母校だ。

 鎌倉・逗子・葉山・横須賀あたりの旦那衆にも卒業生が多い。

 それに加え入寮できるならコストが抑えられ最適だった。

 わたしは、くやしくて、なさけなくて、家でボーッとする日が多くなった。

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