197.障碍者にもアメリカンドリームがある!

  1. 朝飯前の朝飯

障碍者にもアメリカンドリームがある!

 千葉の自宅から東京の会社へ通っている長女から「おとうさん、家に変な電話があったよ」と連絡があり夢からさめる。


 川上父と一緒にレストランへ行き食事が終わったころ、徳川監督夫人が見えたので質問する。

「きのうのNYヤンキースをアテンドしてくれたのはどなたですか?」

「井川慶選手へのインタビューを毎日放送と契約しているカルロス山垣昌史さんとテレビ局のESPNよ」

「きょうの予定を教えてください」

「10時から障碍者の野球、チャレンジャーゲームのプレファイナル2試合の観戦を予定している。コンソレーションゲームではない。4年前にここへきたときチャレンジャーゲームをわたしだけが見て感動し、主人から『すぐ来い!』と言われたけど、その場を動けなかった。その話をあとで主人にしたら、『日本でもチャレンジャーゲームを根づかせたいね』という話になったのよ」

 9時45分にホテルロビーで待ち合わせ、10時前にボランティア球場へ到着。

 まもなくチャレンジャーゲームが開始となる。

 車いすや松葉杖の障碍者たちが一人ひとり登場。

 ピッチャーは上手投げや下手投げ、ティーボールと、多様な方法で、バッターがバットにあてて前にとばすまで何球でも投げて、三振がない。

 アナウンサーも試合を楽しみながらリトルリーグ世界選手権大会と同様に気合を入れてアナウンスする。

 目の前のガッツポーズの少年に代表されるように、アメリカでは障碍者も、その障碍者の親も明るい。

 日本のように隠れたり隠したりしないで堂々としているのがいい。

 向かってくる相手には容赦ないが、明るく前向きな弱者には何らかの形でチャンスを与え、プレーでアピールすればヒーローになれる。

 これが、アメリカとアメリカンドリームだと思った。

 ホテルへ帰ると非アメリカのインターナショナル1位を決める台湾とメキシコ戦がESPNでなく世界一の放送局、ABC(アメリカン・ブロードキャスティング)の放映だ。

 終盤に大ぶりの雨の影響で試合が中断。

 雨方父の運転で山田父のデジタルカメラを探すため再度サブウェイ、ウエルマート、T・J・Maxxへ出かける。

「不明」と言われると、山田父がくやしさいっぱいに「ビールを飲みに行きましょう」と言うのでイタリアレストランへつきあう。

 ホテルへ戻ってテレビに向かうと、3時間の中断を経て、台湾・メキシコ戦が再開されている。

 ジャパンを破ったメキシコの打線に期待するが、攻・走・守の総合力に勝る台湾の貫録勝ちだ。

 この試合が終わると、いっそう強い雨がふりだす。

 アメリカの決勝、カリフォルニアとテキサスの試合開始は19時に延びる。

 山田父とホテルのバーでバドワイザーを飲んでいると、20時に雨方母が「こんなところへいたんだ。徳川さん(監督夫人)が『部屋に来るように』と誘っているよ」とのこと。

 怪物・台湾チームとチャレンジャーゲームの話題で盛り上がるなか、監督と監督夫人は帰国後、千葉でチャレンジャーリーグを創設するだろうと確信した。

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