255.長男の逆流性食道炎、パニック障害、ひきこもり

  1. 朝飯前の朝飯

長男の逆流性食道炎、パニック障害、ひきこもり

 悪性黒色腫の再発・転移で逝った妻から「この子だけが心配だ」と言われた長男。


 大の車好きにもかかわらず2度のスピードオーバーで運転免許証を喪失し、「バスで行くのはイヤだ」という理由でアルバイト先をやめた。


 前年に勃発したリーマン・ショックによって就職活動もまったくうまくいかず、落ち込んで、ひきこもりになり、「大学の授業を受けられない。

卒論が書けない」と言って、わたしへお金の無心がどんどんエスカレートしていった。


 ひきこもりと言っても、上京してきて「この病院では逆流性食道炎、ちがう病院ではパニック障害と言われた」と言ってわたしに診断書や薬を見せてくる。


 あとで聞いた話だが、送金したお金はパチンコにつぎ込みギャンブル依存症になったようだ。


 わたしはカウンセラーではないので、長男につい「おまえは長男のくせになさけないぞ! 姉弟は弱音をはかないでがんばっている! 静岡のアパートの一国一城のあるじなんだから甘えるな!」と言って、東京の家から追いかえしたことがあった。


 このことがあとで取り返しのつかないことになるとは、そのときはだれも知るよしもなかった。

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