「まだバットが振れていない!」
リトルリーグ世界選手権大会予選第2試合の相手は、カリブ地域代表のキュラソーだ。
どんな国なのかと思って調べたら南米ベネズエラの北約60キロメートルのカリブ海に浮かぶ島でオランダ領。
面積は444平方キロメートルで日本の種子島とほぼ同じ。
首都のウィレムスタットは港湾都市で、その町並みはパステルカラーで彩られており、ユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されている。
ラム酒をベースにしたオレンジのリキュール、キュラソーが有名。
ジャパンは国内で経験のない夜20時からの試合で前夜につづいてのナイター。
1回表、ジャパンは3四死球と暴投等で5点を先取。
しかしその裏、二枚看板の井村が連打を浴び4点を返される。
チャンスとみるやたたみかけてくる赤道直下打線は破壊力がある。
2回にはジャパンが2点、キュラソーが3点を奪取し、7対7の同点。
荒れ模様の展開だ。
3回は両チームともに無得点ながら4回に2点ずつ加点。
ジャパンはピッチャーを山田に交代。
5回はたがいに1点ずつをとりあい、10対10の同点。
最終回の表にジャパンが1点をとりリードすると、裏にタイムリーとスクイズでひっくり返された。
5月から不敗だった千葉リトルリーグも久々の黒星だ。
これまでどんな速い球でも打ち返すだけのパワーを磨いてきたが、相手の5人のピッチャーがくりだすコーナーへの変化球を打ちあぐねたのが敗因だろう。
キュラソーの選手たちは跳んだりはねたり全身で歓びを表現している。
一方、ジャパンの選手たちは肩を落とし、帽子を目深にかぶり、うつむき加減に無言でベンチに消えた。
徳川洋文監督はカルロス山垣昌史記者に「まだバットが振れていない。選手は久々の敗戦でショックだと思う。でも一晩寝たら大丈夫。早く選手の笑顔をだせるようにしたい」と語った。