118.「おかあさんのごはんに比べてまずい!」

  1. 朝飯前の朝飯

「おかあさんのごはんに比べてまずい!」

 朝5時半に起床し、飯を炊く。

 前夜に米をといでおいたほうがおいしいが、疲れていてできなかった。

 豚肉入り野菜炒め、卵焼きをつくり、冷凍食品の餃子を焼き、三男に食べさせた。


 三男と会話する。

「どうか?」

「おかあさんのごはんに比べてまずい!」

「そうか? おかあさんのつくるごはんは世界一だからな。父もこれから努力するよ」

 わたしは三男が「まずい」と言ったごはんとおかずを自分の弁当箱にもつめこんだ。

 妻が病気で弁当をつくれなくなってから出勤日は自分でつめている。

 三男は迎えにきてくれた自転車通学の水木くんと一緒に学校へ向かう。

 見れば水筒がデーブルの上にあるではないか?

 Tシャツにジャージ姿のまま自転車で三男を追いかける。

 三男と水木くんはバス停あたりを歩いている。

 よく見ると水木くんの自転車のカゴへ三男のカバンがある。

 三男が次男のように同級生を威嚇する人間になってはいけないと思い、「カバンは自分で持て!」と注意する。


 水木くんは「ぼくが置けと言ったんです」と答えたが、三男は素直に従う。

 会社には通常通り出勤し、19時30分に退出し、20時発の京葉線特急わかしおに乗車。


 帰宅すると、三男がひとりで宿題をしていて、すでにシャワーも浴びたという。


 デニーズへ行って、三男にカレードリアを食べさせ、中学校でのできごとを聞いた。


 千葉大病院には長女がいてくれ安心なのと仕事が忙しいので見舞いには行けない旨を電話した。


「調子はどう?」

「いいよ」

「それはよかった。きょうは行けない」

「わかった」

「調子がいい」と言っても、いまは抗ガン剤治療をしていないのでからだへのダメージがなく、モルヒネの経口薬によってガンの痛みをやわらげているからだろう。

(つづく)※リブログ、リツイート歓迎

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