「免疫細胞療法を受けられる!」
瀬田クリニックへ電話すると、「本部の初診は3月中旬です」と言われる。
田川一真医師の「急を要する」という言葉が耳に残っていて、「すぐにでもお願いしたいのですが」と頼むがかなわない。
千葉県内の三病院を勧められたがテレビにでていた本家本元ではないので気が進まない。
続いて瀬田クリニック新横浜へ電話した。
ここでもひと通りの経過を説明して、「急を要する」旨を伝えたところ、「それでは2月27日11時にお待ちしています。そのとき紹介状とCTの画像、血液検査の結果を持参してください」と言われる。
思わず胸の高鳴りを覚え、田川医師に電話すると、うれしい話をいただく。
「昨晩、中村春博医師と鎌田高徳医師に電話しました。中村医師も『免疫細胞療法を試してみるべきだ』と言ってくれました。鎌田医師には『紹介状を書いてあげてほしい』と言っておきました。奥さんによろしくお伝えください」
そのことを受けて、妻へ電話する。
「免疫細胞療法を受けられるかもしれない。あさって一緒に行こう。田川先生が奔走してくれている」
「ありがとう」
会社の会議室で岩野清志専務へ報告する。
「元主治医が免疫細胞療法ができるように尽力してくれています。現在の主治医も軟化し紹介状を書いてくれる予定です」
「よかったな」
わたしは早速、主治医の克本晋一医師とメールのやりとりを行う。
「克本先生、瀬田クリニック新横浜から『紹介状とCTの画像、血液検査の結果を持参するように』と言われました。ご多用のところ恐縮ですが、よろしくお願いします」
「了解しました。病気の進行の早さ、今後の見通しについてですが、われわれも1枚のレントゲン、1回の血液検査しか見ていないため、実際のところ予想できません。奥様の病気の性質がゆっくりした経過のものであることを願っています」
「いま妻も4人の子どもたちに囲まれて頑張ろうという気になっています。ご理解をたまわり感謝申し上げます」
田川医師とは次のやりとりを行なった。
「克本先生にご理解いただけたものと思い、きょうはゆっくり体を休めたいと思います。妻も田川先生のお言葉『あきらめるな』に非常に勇気づけられています。あすは瀬田クリニックのホームページを見ると言っていました。本当にありがとうございます」
「明日、明後日と病院での受診大変かと思いますが、気をつけて、行ってきてください。何かありましたら連絡ください。奥さんにもよろしくお伝えください」
「なにからなにまでお世話になり感激しています。克本先生からもメールをいただきました。田川先生のおかげです」
わたしはいつになくウキウキして、「妻がこれで助かる!」と勝手に思い込んだ。