1億3700万円の借金をバネに
年商70億円の経営者に成長

  1. 鄙のまれびとQ&A

 福岡の白水ルリ子さんはイベント会社の出資者に加わったことで一夜にして1億3700万円の借金を背負うことになる。15年の返済計画を立て、1日24時間ほぼフルで延べ30職種を掛け持ちして働き、10年目に完済。その間、9年目に人材派遣の新しいビジネスモデルを考案し起業。合わせて社会福祉法人の理事長も兼務することになり、年商70億円近い大経営者へと成長した。

■ゲスト 
 株式会社晴天社長・社会福祉法人宝満福祉会理事長 白水ルリ子さん

■インタビュアー 
 旅するライター 山ノ堀正道

一夜にして1億の
借金を背負う

 ――白水ルリ子さんのことは雑誌を読んでお声がけさせていただき、もう10年近いお付き合いですね。7年前は不肖のために箱根まで足を運んでいただきました。

 白水 山ノ堀正道さんには各地で講演の機会をいただき見聞が広がりました。結婚披露宴は感動的でとても参考になりました。

 ――白水さんが1億3700万円の借金を10年目に全額返済し、その過程で新事業を思いつき9年目に起業するという話は聴く者に大きな感動を与えました。最初に借金を背負う前夜からお話いただきたいのですが。

 白水 私は短大時代の留学経験を含め卒業後、英語という言語を通じて子供の教育事業に興味を持ち、河合楽器の幼児教育の英語分野のスターティングを担当させていただきました。その後、23歳で最初の結婚をして24歳で長女を出産しました。

 ――その頃、マイケル・ジャクソン福岡公演の話が持ち上がったのですね。

 白水 専業主婦で少しパートをしていて時間的に余裕がある時に地元の先輩達と会った際、「町おこしをやっていきたいね」という話があって、最初は地元の有名人でも呼ぼうかと言っていたのが話が段々大きくなってマイケル・ジャクソンに至ったわけです。人脈やノウハウがない中でやりたいことが先走り最悪の結果となりました。

 ――リーダー格の人は仲間とお金を集めて計画的にドロンしようと思ったのですか?

 白水 わからないです。姿を現さないので。1回捕まりました。マイケル・ジャクソンのコンサートの4年半後に山形市内で同じようなイベント詐欺事件を起こして。1年半ぐらいおつとめをされて出てきた時は一文無しでお金がどこへ消えたか不明と聞いています。最初から騙そうと思っていたとは信じたくないのですが、もしかしたらアンダーグラウンド的な人達との繋がりがあったのかもしれません。

 ――リーダー格の人のリーダシップは?

 白水 地元の先輩で高校球児として甲子園にも出場して大学卒業後、市役所に勤めていました。「地域おこしをやろう」と言われたので「あの先輩がみんなを纏めるならついていこう。自分達も地域のために頑張ります」という感じでした。その人が人を騙したり裏切ったりするはずがないと信じていました。

 ――公演自体は成功したのですか?

 白水 成功しました。福岡ドーム(現・福岡ヤフオク!ドーム)を埋め尽くしました。

 ――夜にして1億3700万円の負債を背負うことになり家族や周りの人からはなんと言われ、白水さんはどのような決断をしましたか?

 白水 マイケル・ジャクソンの名前でネタになりやすかったのでしょう。私達が知る前にテレビのニュースや新聞で事件のことが流れました。集めたお金が返ってくる日にそれがないので何度連絡しても繋がらなくて「なんでだろう。おかしいな」と言っていた矢先の出来事でした。報道された後もみんなで「どういうこと?」「どういうことってどういうこと?」「知らない」「明日また連絡しようか?」という感じで大事に至るとは思ってもいませんでした。

 ――興業主は?

 白水 先輩と興行主がいなくなったので共犯なのかもしれません。

 ――家族や親戚に説明した時どういう反応でしたか?

 白水 母からは「なんということをしてくれたの? どうするの?」と怒るを通り越して呆れられました。当時の夫に話したら「そんなお金返せるはずないだろう。俺にも無理だ。返さなくてもいいのでは?」と言われましたので「無理と言っても、どうにかして返すしかないでしょ」と言い返して、そこで意見の対立があり離婚しました。

消費者金融から
脅される

 ――返済計画はどのように立てたのですか?

 白水 住宅ローンでマイホームは建てていたものの事業で借り入れをした経験がなくて返済をどうしたらいいのか見当もつきませんでした。親戚の伯父から「人が逃げても借りたお金はちゃんと返しなさい」と言われ「返します」「いつから返すのだ? いくら返すのか?」「わかりません。できるだけ早く多く返します」「できるだけなんてアバウトなことを言わないで、何年で返す?」「20年か30年ぐらい」「20年後なんて生きていないからもっと早く返せ」「では15年で返します」「よしわかった」というやりとりをしました。伯父はまだ元気です。1億3700万円を15年、それを12カ月、さらに30日、24時間で割ると@1,058円になります。睡眠時間は入れていませんが、これなら返せると思いました。

 ――どんな仕事の掛け持ちを?

 白水 いろんな仕事をさせていただきました。24時間は誰にも平等にあるので、これを上手に効率よく活用しようと思いました。早朝はお金になる鮮魚店や惣菜屋へ行き、家に帰って娘と一緒に朝ご飯を食べて、そこから英会話の仕事やテレアポ、夜は下戸で飲めないのにクラブやスナックで働きました。クラブでは私の場合、他のアルバイトがあるのでお客さんとお店の前で合流して、「入り口から玄関までですみませーん」と言いながら同伴しました。当時、延べ30職種を掛け持ちし、睡眠時間は1日約2時間でした。

 ――お客さんには借金と寝ないで働いている事情を説明したのですね。

 白水 はい。「応援するよ」と言われました。

 ――これだけはしなかったという仕事は?

 白水 時給がいいところばかりに目を向けると風俗や法に触れる可能性があります。そういう仕事はしないと決めて、それ以外は自分の好き嫌いや条件等を外してできるだけ1日の目標金額を超えるようにしました。

 ――消費者金融からも借りていたとか?

 白水 マイケル・ジャクソンの招聘が正式に決まって「あとこれだけ足りない」と言われ、すぐに返済できると思って消費者金融から当時の限度額いっぱいに借りました。それがそのまま返せなくなって、消費者保護法の施行前で体も声も大きい人達から「返せないなら体を売れ」とか言われ取り立てが非常に厳しくて、電話も怖くて取れないような時期がありました。このままでは精神的に病んでしまうと思い、最初にここから返済しました。

 ――消費者金融からの借り入れ額は?

 白水 百数十万円で額は大したことなくても金利が高いのです。振り込むと手数料が掛かるので店舗へ持参すると、次第に毎月の金利の交渉を行なう際の勇気が出てくるようになりました。この時、もう人からはむやみにお金を借りてはいけないと学びました。

 ――消費者金融の完済時、何か言われましたか?

 白水 取り立てをしていた怖いおじさんから「毎月きちんと返済に来たのも、返せない月に『今月は払えません』と電話してきたのも、お前が初めてだ」と褒めてもらい、思わず「ありがとうございます」と言いました。それまで「この借金は自分のではない。逃げた先輩の肩代わりだ」という逃げがどこかにあったのですが、「自己責任だからちゃんと返済しよう!」という前向きな気持ちになりました。消費者金融の支払いを終えると親戚や知人に順に返していきました。

 ――当時、お嬢さんの子育ては?

 白水 朝だけ娘と顔を合わせて、あとの母親業、授業参観や運動会についてはすべて母、もしくは父に任せきりでした。子供の反抗期に知り合いの人へ「私は子育てを全然していない」と相談した時、「一緒にいなくても子供のために頑張っているという愛情表現を言葉でちゃんと伝えないと独りよがりになってしまう」と言われました。それ以降、できるだけ娘に声を掛けたりスキンシップでハグしたりしました。

 ――お母さんには頭が上がりませんね。

 白水 上がらないです。もう上がらないです。母のおかげ、父のおかげです。

10年目に完済
その前に起業

 ――完済前に新事業を始められたとか?

 白水 保育園の保育士をしていた私の友人から「スキルを身につけて長く仕事をしたい。結婚式の司会をどう思う?」という相談を受け、別の友人から「結婚式の司会は若くないとダメだしたまにしかない。40歳超なら葬儀の司会はどう? 毎日あるよ」と言われた時、「葬儀って男性の職場と思うけど女性の司会はあるの?」と尋ねたら「葬儀にも女性が進出し、家族葬が出てきて、祭壇も菊の花から彩りのある花に切り替わっている。分岐点の時期なので、司会等の人材派遣はまだ定着していない」と教えてもらいました。葬儀で人材派遣を行なっている会社を訪問すると、「なんでこんな忙しい時に来るのよ」とたたみかけられ、私がイメージしている柔らかい女性社長とかけ離れていたので、こんなところで働きたくない、これなら私にもできるかもしれないと思って、元保育士に「私が社長をやるけん、一緒にしぇん?」と言って事業を始めました。

 ――10年目の完済の日、ご家族や仲間と祝杯を挙げたのですか?

 白水 終わった時はお祝いをしていません。私の中でちゃんと返済できているという実感が湧いたのは1億3700万円から1億円余を返済して残り3,000万円になった時にゴールが見えてきて、「よし、もう少しだ!」というダッシュの力が出ました。マラソンでも42.195キロ走る中で40キロまで到達したらもう最後まで走れるといった……。そういう引き算が好きになりました。

 ――私は今春「ぐるっと房総100キロウォーク」で初めて100キロを完歩し、90キロあたりでゴールを確信することができました。

 白水 その主催者は山ノ堀さんに講師として声を掛けていただいたねっと99夢フォーラムの大里綜合管理さんですよね。

 ――そうです。完済した時、伯父さんはどうおっしゃいましたか?

 白水 「よくやった!」「よくやった!」と言って凄い褒めてくれました。

『怒られたリスト』と
『褒められたリスト』

 ――事業を始めた頃のクレームの嵐をどう改善しましたか?

 白水 私達は葬儀業界の経験者がいない異業種参入でしたが「葬儀の経験者です」と言って営業をしました。実際は知識も経験もない人間を派遣するのでミスマッチが起こり、「こんな人間を寄こすな」と言われました。

 ――知識も経験もないのに行った社員も怒るでしょう?

 白水 身内や地域の人が亡くなって葬儀に関与したり手伝ったことがあるので、「そのくらいならできる」と、私も本人も甘く見ていました。でも実際はプロの世界なので、遺族への言葉掛け、歩き方、歯を出して笑わない、声のトーンもお悔やみの状態でないといけません。お寺との対応も宗派ごとに違ったりと細かい配慮が必要です。とにかく言われたことは『怒られたリスト』と名付けてどんどんリスト化して怒られないための対策を考えました。「歯を出さない」「ヒールをカチカチ言わさないで小股で歩く」とか自分達なりのアンサーです。当時は葬儀のことを「縁起が悪い」とか、ひと様の前で言うのが憚れるような時代でしたので一つひとつ経験を積み上げていくしかなかったのです。それが10年前ぐらいから葬儀のマナーの本が出てきたり、ネットにも載るようになりました。

 ――『褒められたリスト』も始められたとか?

 白水 最初は葬儀社さんから「同じことを何回言えばわかるんだ?」と怒られていたのが、自分達で改善点を決めて取り組むと「きょうのこれは良かったね」と言って褒められるように変わりました。社員も怒られてばかりいると心が折れるのですが、10回のうち2、3回褒められるようになると何が良かったかを分析し、私達がこう取り組めば安心だったり喜んでいただくという整理ができました。

 ――aozora学院やコールセンターの設立の資金は?

 白水 私は返済が滞った時があり銀行のブラックリストに載っていたので自己資金で開業しました。ブラックリストから解除されて銀行に「オフィスの移転やパソコン、コピー機の調達等をどうしたらいいですか?」と相談したら「すべてを自己資金で賄おうとすると時間が掛かるのでタイミングを逃さない方がいいですよ」と助言され、商工会議所の紹介で国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)から500万円の融資を受けました。

 ――その時期、いわゆる会社の黎明期に全国各地でセミナーの講師を引き受けていただきましたが、社員を育成していたり信頼していないと任せられないですよね。

 白水 私は葬儀の現場で司会もできませんし、声は大きいし、大股で走ります。お手伝いに行った時クレームが出るのは私という感じで、「社長は手伝わなくていいです」と怒られるぐらいでした。そこで「私は仕事を取ってきたり、あなたたち(スタッフ)の給料やモチベーションが上がるような環境を整えるね。あなたたちは与えられた仕事をきっちりこなして」と言って信頼関係のもと、役割分担をしています。その代わりホウレンソウ(報告・連絡・相談)は夜遅くであっても毎日欠かさず行なっています。クレームは社員が「怖い」と言って嫌がるので私が担当していましたが、講演で遠くへ出掛ける時は「2泊3日いないのでよろしくね」となると、みんながちょっとずつクレーム対応を身につけるようになって、今では私が出て行くことが年1回ぐらいになりました。

 ――白水さんは講師謝金を個人でなく会社に入れているので社員も「社長は会社のために働いて、宣伝してくれている」ということになりますね。

 白水 会社の業績も戦略財務情報システムによって四半期ごとにガラス張りに公開して「今回はこれだけ利益が出たのでこう使うね。ボーナスで出すね」と伝えています。家庭と両立している女性でも「頑張ったら給料が月に2、3千円ずつでも上がり続ける」とモチベーションが上がります。クレームも自分達でこなせるようになると後輩の育成も上手になります。

晴天の売上げ38億円
宝満福祉会28億円

 ――再婚のお相手は?

 白水 同じマイケル・ジャクソン公演時のイベント会社の仲間です。

 ――旦那様の負債はさらに高額と聞いていますがどのように返済したのですか?

 白水 彼は5億7000万円でした。父祖伝来の土地とか財産を処分し、負債を2億円程度に圧縮しました。

 ――リーダーが逃げて残った6人で励まし合っていったのですか?

 白水 「借金友の会」で定期的に集まって残金を発表し合ったりしました。人間は一人だと孤独で不安ですが、弱音を吐ける仲間の存在が支えになりました。

 ――旦那様を意識したのはいつからですか?

 白水 返済の最中は恋愛と無縁でした。そういう暇もありません。私が完済した翌月に主人も終わってからですね。でも、それまでストレスが溜まった時に「聞いてくださいよ」という相手がいるのはありがたいですが、初めからそういう気持ちは全くなかったですね。

 ――晴天社長に加え社会福祉法人宝満福祉会の理事長を兼務することになった経緯は?

 白水 主人が先代から受け継いでいた事業が社会福祉法人の介護事業でした。これは公的事業なので借金があっても主人が経営していたのですが、管理不足で任せていた人が使い込みで蒸発してしまったのです。それまで主人とは仕事も介護と葬儀なので関わると縁起が悪いというように言われていて全く別でしたが、私が知っている人材教育の部分から少しずつ手伝ったり、経費節約の方法を教えたりしているうちにスタッフが育ち離職率が下がって関わる時間の割合も徐々に増えていきました。そんなとき、主人が「お前に社会福祉法人を任せた。僕はクリニックを建てて医療法人を運営する」と言いました。

 ――事業経営などとてもできないと思っていた白水さんが1億3700万円を返済すると新事業を立ち上げ、かつ異分野の社会福祉法人を受け継ぐことができた秘訣は?

 白水 私は仕事を振るのが上手いのです。「私はこれとこれをするから、あなた達はこれをこのようにやって」というように。先入観もありません。スタッフとは毎年1対1で面談もします。そういうときに幹部よりも現場の声のほうが実際に近かったりということがわかったりして経営の参考になります。言われたことはきっちり反映しないと、言っても無駄という諦め感が漂います。

 ――晴天と社会福祉法人のそれぞれの売上げは?

 白水 晴天が38億円で社会福祉法人が28億円です。

 ――両方で70億円近いですね。

 白水 はい。

 ――留学されていたお嬢さんは?

 白水 高校時代に3年間オーストラリア、4年間日本の大学へ行って、2年間シンガポールの商社で働きました。昨年結婚して「おじいちゃん、おばあちゃんの面倒を見る」と言って宝満福祉会で働いています。

介護やリハビリ等で
海外展開を図りたい

 ――茶道を始められたきっかけは?

 白水 知り合いに誘われて嫌々行っていた時に中国人の方から「白水さんは茶道をどれぐらい習っておられるのですか? これからもずっと続けられるのですか?」と問われて「いえいえ最近始めたばかりです。あまり向いていないので長くはできないです」と答えたら「中国人の私がこれだけ稽古しているのに日本人として恥ずかしくないの?」と言われたのが悔しくて続けています。

 ――美容にはどのように気をつけていますか?

 白水 水分補給を心懸けています。化粧水もたっぷり付けて保湿しています。

 ――カンボジアでのボランティアの内容は?

 白水 公益財団法人スクール・エイド・ジャパンがカンボジアに学校を建てるハードの支援で、公益財団法人CIESFが学校の先生を育てるソフトの支援です。それから里子への毎月のあしながおじさん的な支援です。1人が就職したので、今は高校生と小学生の2人を育てています。里子の引き受けを約10年前に始めたら「お母さん、学校の先生からこうやって褒められました」といった手紙が来たり、クメール語と日本語の通訳を交えてスカイプを行なっています。

 ――里子には親がいないのですか?

 白水 親がいない子もいるし、育児放棄している場合もあります。

 ――立派な活動ですね。

 白水 なかなかやめられないです。カンボジアももう少し豊かになってくると、これからは日本の国内の貧困問題にフォーカスしようと思っています。日本の養護施設と海外の養護施設が少しずつ国際交流しています。

 ――スクール・エイド・ジャパン代表理事の渡邉美樹さんは今夏、「残念ながらこの6年間、公約した財政再建や原発ゼロについて何一つ力を発揮することができなかった。日銀による大規模金融緩和の『出口戦略』を党の部会で取り上げようとしたが、首相官邸の意向で断念せざるを得なかった。一人で壁は打ち破れなかった。予算をたくさん使っているほうがいいという(永田町の)感覚は企業経営とかなり違う」と言って参院議員を引退しました。私は別の新人の女性衆院議員に「家庭で年間500万円しか収入がないのに1,000万円使ったら崩壊です。国も赤字国債を発行し続けたら破綻します。国を愛するのであれば国民健康保険料の一律3~5割負担、消費税20%超、宗教法人課税を新人国会議員で推進してください」と言ったら「小沢一郎さんは宗教法人課税を言って権力の座から追いやられた。そんなのできるわけがない」と答えるので「あなたは日本国よりも自分の国会議員のバッチの方が大事なのですか? もう支援しません」と申し上げました。OECD(経済協力開発機構)の議長は「日本はプライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税を最大26%まで引き上げる必要がある」、専務理事も「高齢化によって増え続ける社会保障費の負担を補うためには、消費税を2030年までに15%、2050年までに20%に、段階的に引き上げる必要がある」と勧告したのに殆どのメディアが報道しませんでした。本当はもっともっと投票率を上げて渡邉さんのような国士を増やさないといけないのですが。

 白水 ほんとですよね。そうしないと未来の子供達がきつくなるばかりですからね。ギリシャのように財政破綻したら大変です。渡邉さんは「これからは経営者に戻って税金を納める」とおっしゃっていました。

 ――最後に今後の事業計画をお願いします。

 白水 今後、日本に続いてアジア各国も順に少子高齢社会になっていきます。私達はこれまで介護やリハビリ等の分野で頑張って培ってきたスキルやノウハウをしっかり蓄積してアジアにと考えています。そのために昨年、香港に現地法人を設立したのですが、学生と警察が衝突しているので小休止です。いずれは香港を起点にいろいろな海外で展開していこうと夢を膨らませています。その準備を娘に託しています。

プロフィール

白水ルリ子(しろみず・るりこ)さん

 1969年、福岡県みやま市出身。福岡外語専門学校を卒業後、株式会社河合楽器に入社。結婚して出産。1994年、仲間と共にイベント会社を立ち上げるも、リーダー格が売上げ等を持ち逃げし、1億3700万円の借金を抱える。30業種ほどのアルバイトで借金を返済。2002年に葬儀専門の人材派遣業をスタートし、実家で株式会社晴天(あおぞら)を設立。2006年、九州初の葬儀専門スクールaozora学院開校、本社を福岡市天神に移転。2008年、日本初の葬儀専門コールセンターを始め、東京・大阪支店を設立。2014年、社会福祉法人宝満福祉会理事長に就任。他に特別養護老人ホームちくしの荘施設長、医療法人宝満メディカル博多おおぞらクリニック理事、公益財団法人スクール・エイド・ジャパン九州支部長、公益財団法人CIESF理事、公益財団法人クロスボーダーウイング評議員等を務める。

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