エピローグ

  1. 朝飯前の朝飯

エピローグ

メラノーマ(悪性黒色腫)の再発・転移で逝った亡き妻の日記を読み返してみて、あのときなんで彼女の苦悩にもっと寄り添ってやれなかったのかと自らの未熟さを痛感した。

前職の創業者からは「他人の利益が自分の利益」「(他人のせいにしないで自分が)主人公の生き方」「人生の一回性」「二念を継がない(初念でとどめる)」など数々の教えを受けながらなにひとつ実践できなかった。

会社人としては45歳で部長に昇進しながら自ら降格を願いでたり、家庭人としても最愛の妻を失ったり中途半端に終わった。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉があるが、仕事と家庭を等しく大事にすべきだったと反省している。

わたしは平成26年から新妻に誘われ55歳にしてサーフィンやアウトリガーカヌー、サップ等マリンスポーツを始めた。

そのなかでもシュノーケリング、スキンダイビングにはまり、ジャックナイフ(水面から水中へダイブするテクニック)で6メートルまでなら潜れるようななった。

わたしの師匠は60メートルの女性フリーダイバーだ。

湘南だけでなく御蔵島(東京・伊豆諸島)やハワイ島でイルカ、奄美大島でクジラ、西表島で珊瑚礁、与那国島(日本最西端)で海底遺跡などのツアーに参加している。

潜りだけでなく離島をレンタカーでめぐってもいる。

無趣味で仕事オンリーだった唐変木にも枝や葉がついてきた。

わたしは「妻の鏡」のような“先妻”と、夫の生き方を180度変えるおそるべき“新妻”にであい幸せだ。

定年退職後はあるウィークリー紙のコーナーを担当し、会いたい人に会いに行っているので楽しくてしょうがない。

新妻にはブログで亡き妻について書くことに同意してくれたこと、子どもたちには古傷で触れてほしくなかっただろうに寛容でいてくれたことに大いに感謝したい。

このブログが、「ほくろの切開がいのちとりになる(医療過誤)」「やんちゃで苦労をかけた子でもやがてはやさしい人間に成長する」「やる気のない子どもでも腹をたてないで『課題の分離』で対応すれば道がひらける」「無趣味のおじさんでもあたらしいことにチャレンジできる」「定年退職は怖くない」といったことのひとつでもどなたかの参考になれば幸いである。(完)

※半年間、拙ブログにおつきあいいただきありがとうございます。 今後も「山ノ堀正道」の名で、「海道をゆく」などのテーマで書いていこうと思っています。 引き続きご愛読いただければ幸いです。

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