287.「ぼくはおやじのおかげで生きていられる!」

  1. 朝飯前の朝飯

「ぼくはおやじのおかげで生きていられる!」

わたしは高校球児の三男のために朝食と夕食をつくり、弁当を持たせる日々をおくった。

 PTA広報部会の同期、近堂母と校舎の廊下を歩いていると弁当を食べている長男たち野球部の同級生たちと会う。

「よっ。おとうさん、きょうはなにしにきたの?」     

                            
 「近堂さんと一緒だからPTA広報部会だよ」


 「おとうさん、きょうの弁当おいしかったよ!」


 「そうか?」


  三男は「父親がつくった弁当だ」ということを恥ずかしがらずに同級生に披露するが、こちらが照れる。

  さらに野球部の壮行会でもみんなの前で「ぼくはおやじのおかげで生きていられる! 感謝してもしきれない! そのぶん甲子園に行けるように野球でがんばる!」などと平気で言ってのけるので母親たちの評判がすこぶるいい。

  高2の夏は東東京大会ベスト8で甲子園に出場した二松学舎高校に敗れる。


 「大会が終わったのだし、オープンキャンパスに行けよ。オープンキャンパスへ行くのも宿題だろう!」と言っても、なんだかんだと理由をつけて行かない。


  新チームで背番号2とキャプテンに指名され、秋季大会の抽選で青山学院大学へ赴いた。


 「おとうさん、大学へ行ってきたよ」


 「どこへ?」


 「青学だよ」


 「じゃ青学を受験するのか?」


 「しない」


 「それでは行った意味がない。しかも抽選会場であってオープンキャンパスではないだろう」


 「そうだね」


  三男は野球一筋、いやバスケットボール部の才色兼備の女性とつきあう二筋でキャパオーバーだったのかもしれない。


  結局、秋季大会、春季大会ともに初戦で敗退したのでキャプテンを降ろされ、4番・キャッチャーに専念することになった。


  結局、秋季大会、春季大会ともに初戦で敗退したのでキャプテンを降ろされ、4番・キャッチャーに専念することになった。

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