ステーキの「表参道うかい亭」でデート
奥星余市高校PTAの笹原母の「日程があえばぜひ!」から時間がたっていた。
わたしは徐々に社交辞令ではないかに気持ちが傾いていた。
そんなときタイムラインに連絡があった。
「この日に表参道なら大丈夫ですが……」
「わかりました。ステーキでいいですか?」
「大丈夫です」
「それでは、表参道『うかい亭』を予約します」
「ありがとう」
そして当日を迎えた。
店内ではボツイチ子持ちとバツイチ子持ちがステーキを前に横向きになる。
目の前で焼いてくれるステーキをほおばりながら横を向いて話をする。
目と口で堪能といった感じだ。
食後は別室へ移動して、デザートをいただく。
これがまた雰囲気といい、味といい、抜群だ。
「ごちそうさま。今度はわたしが馳走しますね。どこがいいですか?」
女性にあまり負担をかけられない。
「神楽坂のビストロ『ルバイヤート』はどうですか? ワインの種類がそろっています」
「わかりました」
その日はうかい亭で3時間ほど逗留したのでお互いにさようならをした。
帰宅して三男が語りかけてきた。
「おとうさん、なにかいいことあったの?」
中学3年のくせにするどい。