「銀行から融資がOKになりました!」
文京区白山の不動産会社、ケイ・コーポレーションの内藤賢一氏から連絡がくる。
「三井住友銀行さんから好条件で住宅ローンの融資がOKになりました」
「内藤さん、ご尽力ありがとうございます。みずほ銀行はどうでしたか?」
「ダメでした」
「理由は?」
「教えてくれませんでした。以前、引き落としが不能だったり、ご定年までの期間が短いためではないでしょうか?」
「いまの会社へ入社して最初に口座を開設したのが富士銀行(現・みずほ銀行)でした。引き落とし不能はそのときの話かもしれません。では、三井住友銀行で進めてください」
勇躍、中学硬式野球リトルシニア日本一の江戸川中央リトルシニアの事務局へ電話すると、選手の母親らしい女性が丁寧に教えてくれた。
「息子は千葉リトルリーグに所属していました。東京へ転居する予定でリトルシニアを探しています」
「千葉はリトルリーグで日本一のチームですね。いまリトルリーグからの入部希望者が毎週続々と見学にきたり入部しています。以前、大網から通っていた選手もいました。このチームは監督はじめ指導者がとても優れています。部員が多いですが、高校へ進学したらそれぞれキャプテンができるように指導しています」
「息子もぜひキャプテンができるような人間にさせたいと思います。9月13日に見学させてください」
帰宅して三男へ質問する。
「外食だけどどこへ行こう?」
「すしろうが一皿90円なんで行こう!」
「それどうして知ったのか?」
「テレビのCMで言っていた」
三男はめずらしく、にぎり7皿と茶わん蒸しのみだ。
「どうしたんだ?」
「冷凍食品をチンして食べた」
「おかずの残りやパンもあっただろう。冷蔵庫には。冷凍食品は何もないときの非常食にしたほうがいい! 銀行から住宅ローンの融資がおりることになったので、9月13日に東京の江戸川中央リトルシニアへ見学に行くからな」
「わかった」
リトルリーグが日本一だった。
わたしも三男も、リトルシニアについても当然強いチームしか念頭になかった。
それがあとで苦悩することになるとは、そのときは予想もしていなかった。