151.三足のわらじを履くことの困難さ

  1. 朝飯前の朝飯

三足のわらじを履くことの困難さ

 前日の大掃除の結果でてきた可燃ごみ5袋を集会所へだしながら、長女に大網駅まで送ってもらう。

 車中で大里綜合管理の野老真理子社長から電話がかかってくる。

「今夕、東金市役所で大里のフォーラム&山武郡市合同講演会の打ち合わせがあるから参加してほしい」

「月末の月曜日で会社の早退が厳しいから拙者抜きでやってほしい。懇親会があれば遅れて参加する」

「講師の川崎和男さん(大阪大学大学院教授・当時)のことはあなたしか知らない。紹介文がほしい」

「横顔はホームページにあるよ」

「横顔でなく正面がほしい」

「も、もちろん正面。横顔は略歴のこと。『Kazuo Kawasaki』ブランドのメガネをアメリカの民主党、パウエル国務長官、クリントン米大統領夫人、共和党のペイリン副大統領候補(いずれも当時)等が愛用しているから世界のカズオ・カワサキなんだ。ホームページのYouTubeを映写してほしい」

「わかった」

 17時40分に会社を退くと、東京駅18時発特急わかしおに乗車するために東京メトロ市ヶ谷駅から有楽町線に乗ろうとしてJALスイカカードでタッチしてもゴーできない。

 新カードが届いた際、旧カードの電子マネーを引き継がないで切り刻んでしまったことに気づく。

 わかしおになんとか飛び乗ると、川崎和男事務所から電話がある。

「持参用のプロジェクターでは収容人数の関係から限界がある」

「川崎先生の美の追求を優先するつもりです。気持ちよく講演していただく態勢をとるので安心してください。早速、会場へ確認します」

 大里綜合管理2階には、山武市の椎名千収市長、土屋守前総務部長、秋葉俊夫前教育部長、金田重興教育長と実川愼子千葉大助教授(ともに当時)、大里の野老真理子社長等の顔がある。

 みんなで大里製のマクロビオティックをほおばりながら野老社長が口を開く。

「うちの会社では生活保護を受けていた若者を立ち直らせた例があるが、このたびは元薬物中毒患者が草刈りのパート社員になった」

 わたしは最初に大里へ顔をだしたとき、引きこもりだった子が大里で2年間生活するなかで明るく元気になって郷里へもどっていった事例をつぶさに見て感動したことがある。

 この会社はひとを色メガネで見ない、どんな障碍をもっていても普通に接してくれるところがすごいところだろう。

 その後みなが1か月間のおもなできごとを話す。

 椎名市長が発言中に三男から電話がある。

「いつ帰るの?」

「おねえちゃんは?」

「わからない」

「わかった。切りのいいときに帰る」

 帰宅すると、中学1年生の三男がソファベッドでいびきをかきながら寝ている。

 体も大きくなり、とても抱っこして運べないので、「2階まで上がって寝よ」と声をかける。

    三男の寝顔を見て、ひとりで会社勤めと子育て、ボランティアの三足のわらじを履くことの困難さを痛感した。

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