「『あきらめないこと』が大事!」
この日は千葉マリンスタジアムでリトルリーグ東関東連盟平成21年開幕式だ。
日本リトルリーグ野球協会は、北海道、東北、東京、神奈川、北関東、東関東、東海、信越、関西、中国、四国、九州の12連盟からなる。
東関東連盟には茨城ブロックと千葉ブロックがあり、千葉リトルリーグもこの中に所属している。
いちばん上がメジャー、次がマイナー、いちばん下がティーボールのクラスにわかれてプレーする。
メジャーには通常小学6年生の秋~中学1年生の夏までだ。
三男は小学3年生のティーボールからはじめてマイナー、メジャーと順に階段を上ってきた。
守備は外野手からスタートして、ピッチャー、キャッチャー、サード等を経験。
どのポジションも守れるユーティリティープレーヤーの反面、バッチィングに多少難があり打率が上がらないのでなかなか定位置がとれないでいる。
きのう迎えに行ったときもピッチャーとしてコントロール重視のピッチングだったので、その前にフォアーボールを与えたのかもしれない。
2アウトをとって練習が終了し、トンボをかけて、徳川洋文監督にお辞儀をしてグラウンドをあとにしたシーンを思いだした。
スタジアムの駐車場開門が8時と遅いので入り口付近が大混雑。
開会式で千葉リトルリーグは三大会の優勝旗を返還。
そのさい今年も優勝旗3本を死守してほしいものだと思う。
千葉リトルリーグのホーム、喜多グラウンドへ着くと睡魔が襲ってきて、テレビ朝日「新婚さんいらっしゃい」に耳を傾けながら眠りにつく。
1時間ほどして目が覚めるとテレビが「脅威のガン治療」と言っている。
「妻にも視聴させたい」との思いからグラウンドをあとにして家へ戻る。
「きょうは昼まで寝ていた」と妻が言うので、体を気遣って「よー、寝たなー。よしよし」と応える。
早速、10チャンネルを出すと、テレビ朝日「がん治療最前線スペシャル」を放映していて、ラジオ波やピンポイント照射についてタレントの向井亜紀さんや山田邦子さんの事例とからませている。
その中で最も注目したのが、「免疫細胞療法」だ。
瀬田クリニックの先進事例が紹介され、大学病院での臨床に限界を感じて独立開業した医師のことばに気概が感じられる。
妻と一緒に「ここいいね」と言い合う。
前日、田川一真医師から「気軽に電話をかけてきてください」と言われていたのを思いだして受話器を握る。
「テレビで免疫細胞療法について取り上げていました。妻の病状にも効くのであれば化学療法との併用を試したいと思いました」
「十年前に県立がんセンターで試したことがありますが、こんなに進んだとは知りませんでした。やってみる価値はあるでしょう。テレビなので多少誇大なところがあるかも知れませんが、試す価値はあるでしょう。番組の最後に言っていた『あきらめないこと』が大事だと思います」
「ほんとですか? ありがとうございます」
現在の主治医から「余命4か月」と言われて意気消沈していたが、起死回生の希望が見いだせる田川医師のことばだった。