15.義母・次男・わたしの共通点

  1. 朝飯前の朝飯

義母・次男・わたしの共通点

 自宅を8時に出て、9時前後に千葉大病院の裏門あたりにさしかかるが、車が渋滞で一向に進まない。義母を降ろして、わたしだけ海浜病院へ向かう。

 誕生2日目の三男の入院手続きを済ませた後、佐久間瞬医師から「呼吸障害があり、前日に続いて100%の酸素吸入を行っている。その他については異常なし」と告げられる。

   鼻や足などから管を入れて点滴を受けている姿が、なんとも痛々しい。

 14時に自宅で昼食をとり、大網白里町役場(現・大網白里市役所)へ三男の出生届を提出。福祉課で「児童福祉手当を受けますか?」と尋ねられたので、必要事項を書いて申し込む。

 仮眠をとり、千葉大病院へ向かう。19時ごろ着いて、義母に一緒に食事をとろうと言うが、すでにおにぎりを食べたとのこと。

 自宅へ戻ると、母から申し出がある。

「この春に手術した腸のポリープ摘出の定期検診の手続きをとらなければならない」

「今月いっぱい会社から休みをもらっている。家へ帰って、来月また来てくれればいいよ」

 平成8年8月8日、スリーエイトの朝。きょうも義母を大学病院で降ろし、海浜病院へ。

 佐久間医師から「まだ自力呼吸はできないが酸素は30%に下げる。あすか、あさってあたりから自力呼吸をさせてみる」と言われる。

 渡された証明書を東金保健所へ持参する。担当の加藤岡房子さんは「おめでとう。赤ちゃんのおかあさんのほうはどうですか? わたしは大網担当ですから、もしこちらでできることがあったら相談にのりますよ」と言う。

 イワキメガネで「ドライアイではないか?」と言われる。当初、格安メガネにしようと思ったが、「眼は命」と思い直す。

 視力検査で、いままでのメガネの矯正視力が右0・4、左0・5とかなり低下が進んでいる。暗くて揺れる電車で校正をしたり夜中まで眠い目をこすりながらパソコンに向かって原稿を書いていたのが響いたのかもしれない。生まれて初めて「乱視」とも言われる。

 家に帰ると、パンを1枚かじって病院へ向かう。病室の妻は相当痛そうだ。昨晩から寝返りを打とうとするたびに傷が痛んで目が覚めるという。

 そんな妻を残してしのびないが、義母と病室を後にする。車中で義母に話しかけた。

「この日曜にでも帰ってもらって、また9月きてもらえませんか?」

「ひとりで子どもの面倒は見られんじゃろう。上のふたりを夏休み期間中預かってあげる」

「次男は?」

「あの子はやんちゃじゃけえ、よう面倒をみられん」

 義母が次男を嫌うのは、近所の3歳年長男子をプラスチックのバットで叩いて泣かす現場を見てしまったからだ。それ以降、義母は「あの子は無理」と言って遠ざけている。

   義母とわたしと次男の共通項は「血液型“O型”」だ。やや気性が激しい。B型の上のふたりを預かってもらうだけでもよしとしよう。

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