“不幸”のオリンピック日本代表選手
東日本大震災後に無性に孤独を感じて出会いを求めようと思い、結婚情報サービスに入会するも、1年間まったくヒットしなかった。
カウンセラーからは「年収はサラリーマンとしては高いほうですし、持ち家もあって申し分ないのですが、お子さんが4人いらっしゃるのを敬遠されるのではないでしょうか?」と言われ、データを改竄(かいざん)するわけにはいかないし退会した。
そんなとき高校3年生の次男が大学の指定校推薦を取り消され、大学4年生の長男が逆流性食道炎、パニック障害、ひきこもりになるわで、わたしはおちこんだ。
中学3年生の三男が塾がある日には「遠野くんと一緒に食べてこい」と言って小遣いを渡し、わたしは駒込界隈で飲んだくれていた。
気分は「“不幸”のオリンピック日本代表選手」、「だれも近づいてくるな」というオーラをかもしだしていたいたので寄ってこないし声もかけられない。
いっそう孤独を楽しんでいた。
楽しんでいた、と言ってもじっさい楽しいわけではない。
そんなときだ、人生が好転するような思わぬできごとがあった。