242.「サラリーマンなので協力してくださいね」

  1. 朝飯前の朝飯

「サラリーマンなので協力してくださいね」

 三男は千葉の中学校では4歳年長の次兄のリーダーシップを引き継ぎ、1年生の9月に東京の中学校へ転校するとチームワークを身につけた。

 2年生のときは担任の大山雅市教諭から再三にわたり学級委員を勧められたが固持したようだ。

 ある日の朝、わたしに説教をくらって頭にきたのか学校の廊下の壁を蹴とばして穴ができると、つづけて11人が同じように蹴ったらしい。

 わたしは学校から呼びだしを受け、大山教諭から「おとうさん、穴がこんなに大きくなりました。思春期の爆発でしょう。かれはよくもわるくもリーダーシップがあります」と言いながらおおめに見てくれた。

 3年生になると本人も東京暮らしに慣れ、高校受験を意識したからか、1学期のときみずから学級委員に手をあげ、えらばれた。

 しかし依然、中学校からの配布物は渡さなくて行事がわからなかったが、近所の遠野母から「本年度第1回保護者会・学年会・学級懇談会」の連絡をもらい初めて参加した。

 柚木明雄校長は就任早々「アクションプラン」(マニフェスト)を提示し、「ホームページを毎日更新します」と公約。

 数学科教師ながら道徳教育を究め、荒川区教育委員会指導室長等を歴任してのエース中のエースらしい。

 学級懇談会では、担任の中森學教諭が次のように自己紹介。

「3年A組を2年連続つとめることになりました。新3年生とはこれまで教科だけだったのが、これから距離が縮まると思います」

 クラスで役員を引き受ける人間がいなくて無駄な時間が過ぎていく。

 わたしは三男の最終学年ということもあり、「広報委員会であれば」と手をあげる。

 会場を移動し、第1回の広報委員会が開かれ、本部の笹木母が進行し広報委員の役割を説明する。

「PTA広報誌を年2回発行します。取材し記事にまとめる役割です」

 委員長決めでだれも手をあげない。

 わたしはしびれをきらして「サラリーマンなので協力してくださいね」と言って引き受ける。

 副委員長には則本母、谷田部母が手をあげてくれ沈黙に終止符がうたれる。

「次回は4月21日16時に集まりましょう」と打ちあわせて散会となった。

 会社へ戻り残業して帰宅すると、三男へ「PTA広報委員長をつとめることになった」と伝えた。

 三男からは「がんばって」のひと言だ。

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