194.「あなたのファミリーに興味をいだいた!」

  1. 朝飯前の朝飯

「あなたのファミリーに興味をいだいた!」

 8時20分にホテルをでるが、ゲートで8時45分まで足止めをくう。

 きょうはジャパンとヨーロッパ代表ジャーマニー(ドイツ)との敗者同士の一戦、コンソレーションゲームだ。

 日本リトルリーグ野球協会の志村会長が言うように「君が代」に続いてジャーマニーなのにアメリカ国歌「The Star-Spangled Banner(星条旗)」が流れる。

 選手はドイツ在住アメリカ人の子弟ばかりなのだろう。

 コンソレーションゲームだが、いつものアナウンサーが公式戦同様、軽快に選手を紹介。

 ジャパンはいつもと違って1塁コーチに徳川洋文監督がつく。

 プレーボール後、0点が続いたが、ジャパンが均衡を破り猛攻で11対1のコールドゲーム。

 両軍の監督・コーチ・選手は仲良く写真に納まる。

 それらの写真を購入するためには30分を要するので山田父とホテルのレストランでカップラーメンをすする。

 16時前に再びスタジアムへ着き、台湾・キュラソー戦を応援。

 結果は台湾が5-2で勝つ。

 台湾の選手は同じスポーツ学校に通っていて一様に12歳とは思えないほど長身で体格がよく同じメンバーで毎日練習ができるらしい。

 土曜の午後と日曜、祝日のみの日本のリトルリーガーとは環境が大きく異なる。

 投手は左のカーブ中心の軟投型だ。

 千葉リトルリーグはこの4年間、高速バッティングマシンでスピードボールを打ち込んできたが、もし台湾のこの投手と対戦していたらどうなっていたのだろう?

 18時に試合終了しホテルへ戻り、徳川監督夫人、雨方コーチ夫人の運転でイタリアレストラン「ディソルボ」へ。

 徳川監督夫妻、志村会長夫妻、応援団、ジャパン選手たちのホストふたりとその夫人たちの総勢20人。

 鶏肉のキノコソース炒め、野菜サラダ、海鮮煮、パスタ、デザートの順にでてきて満腹になる。

 ホテルへ戻ってシャワーを浴びているとき、「リトルリーグ世界選手権大会へ毎年ジャパンを応援にくる」というアメリカ北東部ニューイングランド、コネチカット州在住で国際結婚したというハシモト氏から電話があった。

 聞いた番号へかけると、「携帯からだと国際電話になるのでこちらからかけますよ」といって電話をくれる。

「おくさんが亡くなったばかりで、アメリカまで家族全員がリトルリーグ世界大会の応援にきた、あなたのファミリーに興味をいだいた! 今回のであいに感謝したい!」

「東京へお戻りのさいは、ぜひご連絡ください」

「再び訪米されるときも声をかけてください」

「わかりました」

 電話が終わると、テレビ中継でカリフォルニアとジョージア戦を見る。

 熱戦のすえ、23対10でカリフォルニアが勝つ。

 あすのコンソレーションゲームの相手はジョージアに決まった。

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