177.「ふたりだとわびしいね」

  1. 朝飯前の朝飯

「ふたりだとわびしいね」

 三男に「夏休みの宿題を早めにすましておくように」と指示して出社する。


 昼休みに千葉県長生郡長南町の古刹、長福寿寺の今木長秀住職から携帯に電話がある。


「来月9日のフォーラムだが、講師の青木新門氏(文藝春秋社『納棺夫日記』著者)から連絡をもらったから参加したい。終わったら青木氏と一緒に飲みたい」


「18時から20時まで講話・質疑応答、20時から21時まで講師と参加者との懇親会があり、それが終わって一緒に寿司屋にでも行きませんか?」


「3人だけどいいかな?」


 フォーラムは赤字運営なので、会食の人数があとだしじゃんけんだとエッと思うが、青木氏とその知人のかたに満足してもらう必要がある。


「(苦笑しながら)どうぞ」


 17時50分、デザイナーの竹中俊男課長と魚八に入るが、この時間だとすいている。


 竹中課長がわが家にきたことは覚えているが、泊まったかどうか失念していて、「えーっ」とむくれられる。


 早めに切りあげ、秋葉原の駅ナカでケーキを購入し、帰宅する。


 チョコレートで書かれた「誕生日おめでとう!」のメッセージは電車や車のなかでゆれたためか箱にくっついて読めない。


「一日遅れでわるいな。きのうはケーキを売っている店がなかったから」


「ありがとう。ふたりだとわびしいね」


「確かに」


 三男に翌日の野球の用意をさせて床につくが、「宿題をしたか?」と尋ねるのを失念してしまった。

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