292.新妻に「3本の柱」を教える

  1. 朝飯前の朝飯

新妻に「3本の柱」を教える   

「あーしんどい」「腰が痛い」「ディレクターに押し切られた」


    新妻の仕事は文筆のクリエーターだ。

自信のある原稿もディレクターからダメだしをくらうと書き直さなければならない。

わたしはこれまでのビジネス経験からつい助言をしてしまった。

「やらされ仕事をしていると苦痛のエンドレスだ。永遠に満足できないよ」

「えっ、じゃどうすればいいの?」


うかつだった。
彼女はいまの状態であればあまり有名でないががむしゃらなところと異才の持ち主なので秘訣を教えると、自分(わたし)が引き離されるのではないかという恐怖心が芽ばえてきた。

「なんでもないよ」

「男らしくない!    ちゃんと言いなさいよ!」

「しかたないなー。いまのやらされ仕事はおいといて、やりたい仕事の柱を2本立てるんだ。3本の柱は倒れないからね」

「あと2本、なにをやればいいの?」

「ひとつは講演だ。いまたまにたのまれて数万円でやっているけど聴いていておもしろくない。聴かせる内容にする」

「どうすればいいの?」

「『あなたも人気講師になれる本』(学研)の著者で大谷由里子さんという講演家が志縁塾という講師の塾をやっている。そこへ行ったら講師謝金が10倍になるよ」

「もうひとつは?」

「作家業だ。といってすぐに出版社へ原稿を持ち込んでも自費出版ならともかく商業出版はむずかしい。『「伝説の社員」になれ』(草思社)の土井英司さんがエリエス・ブック・コンサルティングという出版コーディネーターをやっているから門をたたいてみたら」

「わかった」

新妻は大谷さんの指導で講演料が5倍10倍になり、土井さんのプロデュースで立てつづけに2冊上梓した。

案の定、新妻との距離が広がっていった。

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