280.「英語ほか3教科0点になります」

  1. 朝飯前の朝飯

「英語ほか3教科が0点になります」

 三男は都立江東高校入学後すぐに野球部へ入部し、朝練も夕練も元気に参加する。

 そのぶん、わたしは毎朝5時に起床し、朝ごはんと弁当作りを日課にした。

 リトルリーグやリトルシニアでは朝起きないこともあったが、高校の野球は楽しいのか自分でかならず起きてくる。

 しかし食が細い。

「帝京や横浜へ行っている同級生は1回に2合飯を食べているっていうじゃないか? 食べなきゃ甲子園に行けないぞ!」

「朝からそんなに食べられない」

「弁当だってまるまる残して帰ることがあるじゃないか?」

「忙しくて食べられないときだってあるよ」

 文武両道の都立高校なので中間テストや期末テスト前の1週間は部活動禁止だ。

 野球大好き人間の三男から覇気が消える。

 1学期の中間テスト初日の朝、三男は発熱と腹痛に襲われる。

 わたしは担任の浦本教諭へ電話をする。

「息子が体調をくずして寝ています。きょうは休ませてもらえませんか?」

「こまりましたねー。きょうから英語ほかの中間テストです。休むと3教科0点になります。念のためクリニックで診察してもらってください。あすも休むようなら連絡ください」

「わかりました」

 自宅から近所のクリニックへ連れて行くと、「急性ストレス性胃炎でしょう」と診断された。

 二日目からはなにもなかったように元気に登校したので、ストレスの原因は英語のテストだったのだろう。

 英語が苦手というのはわたし譲りだろうからあまり強く言えない。

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