256.“不幸”のオリンピック日本代表選手

  1. 朝飯前の朝飯

“不幸”のオリンピック日本代表選手

 東日本大震災後に無性に孤独を感じて出会いを求めようと思い、結婚情報サービスに入会するも、1年間まったくヒットしなかった。

 カウンセラーからは「年収はサラリーマンとしては高いほうですし、持ち家もあって申し分ないのですが、お子さんが4人いらっしゃるのを敬遠されるのではないでしょうか?」と言われ、データを改竄(かいざん)するわけにはいかないし退会した。

 そんなとき高校3年生の次男が大学の指定校推薦を取り消され、大学4年生の長男が逆流性食道炎、パニック障害、ひきこもりになるわで、わたしはおちこんだ。

 中学3年生の三男が塾がある日には「遠野くんと一緒に食べてこい」と言って小遣いを渡し、わたしは駒込界隈で飲んだくれていた。

 気分は「“不幸”のオリンピック日本代表選手」、「だれも近づいてくるな」というオーラをかもしだしていたいたので寄ってこないし声もかけられない。

 いっそう孤独を楽しんでいた。

 楽しんでいた、と言ってもじっさい楽しいわけではない。

 そんなときだ、人生が好転するような思わぬできごとがあった。

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