215.「おとうさんにお茶くみはさせない!」

  1. 朝飯前の朝飯

「おとうさんにお茶くみはさせない!」

 朝8時に長女の「早く起きて!」の叫び声に目が覚める。

 9時半に大工の串本高広棟梁の来宅予定があるので、急いで三男を起こして野球の準備をさせる。

 三男が「江戸川中央リトルシニアの体験には遅刻できないからムリ!」と言うので西練馬リトルシニアと荒川リトルシニアのホームページを富士通のFMVで見ていた。

 すると長女の「早くして! 9時までに会社の東京店へ着けて! わたし新入社員だから!」の声に押されて車に乗る。

 長女のあまりの気圧につい、ノアのハンドルを握るはめになったが、冷静に考えると職場へ送る義務がないことに気づき攻守逆転する。

「さっきの『9時までに会社へ送ってくれませんか? わたしは新入社員ですから』だろう?」

「そうでした」

「お前を送ることで串本さんへアポイントを10時に変更する必要がある」

 長女は納得して電話する。

 自宅へ戻り、すでに来宅している串本氏へ「申し訳ないです」と言って低頭すると、「ポストはペンキを塗りたてなので、きょう1日さわらないでください」とやさしく声をかけられる。

 再び車のエンジンをONにし、地図を頼りに荒川河川敷にある西練馬リトルシニアのグラウンドへ向かう。

 12時すぎに三男が「お腹が空いた。あっさりしたものでいい」と言うので山田うどんで天婦羅うどんを食べて13時にグラウンドへ。

 見るからに優しそうな役員の屋島母が三男のユニホームの胸の刺繍を見て声をかけてくれる。

「千葉リトルリーグですか? 強いですね」

 押田繁篤事務局長へ「母親がいないんですが」と言うと、すぐに上級生の母親たちの同意をとりつけてくれた。

「おとうさんにお茶くみはさせない! みんな大丈夫だよな!」

「もちろんです」

 この元厚生官僚の、事務局長はなかなかの人物だ。

 わたしが胸をなでおろすと、練習体験に加わった三男も「ニシネリ(西練馬)は雰囲気がいい!」と述べる。

 江戸川中央リトルシニアの「中学3年間で野球の技術だけでなくさまざまな役割を身につけ、それぞれの高校でキャプテンをつとめるようにさせる」という考え方にも共鳴していたが、わたしはお茶くみが不要、三男は明るい雰囲気、の「ニシネリ」に心が傾いた。

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