「息子さんがまだ登校していません!」
母が岡山県の自宅へ帰っていき、長女が大阪からもどってきた。
5時45分に起床し、三男に「起きよ」と声をかける。
三男にパンをピザトーストにしてやると、食べるのかと思いきやトイレに駆け込む。
「食事の途中で席を立つもんじゃない! 行儀がわるいぞ!」
「お腹が痛い!」
可燃ごみをまとめて2袋手に持ち、愛犬ここあのうんちも袋づめして集会所へだす。
出勤途上の8時半、三男の中学校の学年主任、川栗邦雄教諭から携帯に「息子さんがまだ学校へ登校していません!」と連絡があり、市ヶ谷駅から長女へ電話する。
「(三男が)学校に行っていないらしい」
「家の中を探してもいないよ」
「かばんは持ってでているか?」
「ない。おとうさん、一大事だよ。わたし車で探す。学校へ『同じようにサボっている子がいますか?』って尋ねてみたら……」
「あいつはつるむけど、一緒にサボるようなやつじゃない。怒らしたことも思いうかばない。もしかしたらリトルリーグのコーチに言われて一枚刈りの坊主頭にしたことを根にもっているんだろうか? いずれにしても中学校へ電話してみるよ」
長女との電話を切って連絡する。
「1年C組担任の荻原智恵子先生をお願いします」
「息子さんは登校しました。『おとうさんが会社へ行ってから二度寝して、起きたら8時半だったので急いで登校した』と言っていました」
長女に「安心せよ」と電話する。
会社を終えて帰宅の途上、奥星余市高校PTA同期の左藤母、竹原母、木田母、廣江母へ「妻は毎日こういう心配をしながら子どもを育ててきたのだろう。子育ての大変さの一端がわかった感じ」というメールを送ると、彼女たちからそれぞれ返事をもらう。
その日は残業のため帰宅が22時50分をまわる。
三男にひとこと「遅くなる」と言っておきたかったができなくて、帰るとすでに眠りについている。
次男からメールがきたのでやり取りする。
「がんばるよ! つか暇な日でいーから扇風機を送ってくんない!」
「北海道で扇風機なんかいるのかよ? ホームセンターで買えば1,000円程度であるだろう。まず自転車を買って自分で運ぶかお店に運んでもらえよ」
「いやいや北海道ナメたらあかんよ。普通に暑いかんね! わかったわ??」
「昼はあまり変わらんかもな。しかし夜は涼しい。窓を閉めて寝よ。風邪をひくから」
「りょーかい。そっちもからだ気をつけて!」
「中抜け(授業をサボる)しないで学校へ楽しく通い、『千葉へ帰りてー』なんて言わなければ元気でいられる!」
「ははっ、嫌みすね(一□.一;)」
「嫌みじゃない。本心だ。だってせっかく遠い北海道へ行ってるのに、北海道を、余市を好きになんないと、いまの人生つまんないだろう? 少なくとも北海道にいるときは千葉のことは忘れよ。それが男ってもんよ!」
その後、次男からの音信は不通だ。
しかし、メールとはいえ次男と冷静に話ができたことは一歩前進だった。