ガンマナイフ前夜に妻がしくしく泣く
翌朝5時半起床し、妻のトイレの介助を行なう。
その後、妻に従姉から送られた富士山の水を飲ませる。
午前中、妻を乗せてノアを運転して市原市鶴舞の循環器病センターへ入院。
13時すぎに脳神経外科の長野治医師から説明を受ける。
「脳浮腫(脳内出血等により脳の組織内に水分が異常に溜まった状態)は脳の働きを悪くします。
おくさんの場合は、左の脳の5センチの転移が、だるい、計算ができない、日付がわからない、ことばがでない、といった症状を生んでいます。
前から腫瘍があり、そこが出血して頭痛を起こしています。ガンマナイフ治療で患部に放射線をしっかり当てることで出血を小さくします。放射線の力で抑えるわけです。
大きさが小さいほど撃退できますが、おくさんは5センチと大きいのがいくかあり、たくさんの放射線を当てないといけません。3センチより大きい場合は何回かにわけて治療する分割照射です。
今回は6月1日(月)の朝、頭にフレームを装着すると、自分では動けません。201点のヒームのうち1点をめがけて照射し1時間半で終了します。1時間の要安静です。
フレームは夕方外します。出血すると調子が悪くなります。放射線の影響です。2週間、脳浮腫が強くなる。その場合は薬を使用します。ほかにもいくつか影があります。次回は6月12日(金)~15日(月)を予定しています」
わたしは永野医師の「ほかにもいくつか影がある」の言葉が妙に気になった。
今回照射しなければまた肥大して記憶中枢等を侵されるのではないかと心配したからだ。
それでも長野医師の立て板に水の説明に質問のタイミングを逸してしまった。
入院2日目の晩に妻へ話しかける。
「静かなところだねー。昨晩は我慢したんだけど、今夜は一杯ひっかけてきていいかな?」
「いいよ。門限までに帰ってきてね」
「わかった」
アルコールを求めて町を散策するが日曜だからか店が見つからなくてラーメン屋でビールとラーメンを注文。
少し物足りないがよしとして循環器病センターへ戻った。
東関東連盟夏季大会3回戦は常陸太田リトル相手に11対0のコールド勝ち。
木村投手が4安打完封。
三男は8番キャッチャーで3打数2安打1得点。
ガンマナイフ治療の前夜だ。
消灯時間となると、妻がしくしくと泣いている。
ガンマナイフ治療への不安と思い、「大丈夫だよ。成功するから」と言って肩に手をやり部屋の照明を落とした。
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