119.「もう抗ガン剤はイヤ!」

  1. 朝飯前の朝飯

「もう抗ガン剤はイヤ!」

 千葉大病院で起床後、しばらくして皮膚科の松島弘之教授の回診ある。

 その後、脳外科の石立保男医師の説明に質問した。

「腫瘍左頭頂葉から後頭葉へ転移しています。一部分に腫瘍、出血があり症状が悪化しています。左側か右側の目が見づらいはずです。これ以上、転移と出血が進むと意識障害となり致命傷です。腫瘍を抑えるガンマナイフ(脳に対する精密な放射線治療)が必要となります。からだにやさしくて、効果が少し期待できる治療です。千葉大病院とタイアップしている千葉県循環器病センターで2回かけます(2泊3日)。出血が治まれば脳のガンも小さくなります」


「ガンマナイフで出血を減らせることができますか?」

「減らせられます。そうすることも長生きのためにやっておいたほうがいい」


「体調を悪くしたくないです。体への負担は大丈夫ですか?」

「現在の薬を体へ入れ続けられません。点滴から口で飲める薬に切り替えたい。ただ、ガンマナイフを実施する前に状況が変わるかもしれないです」


 妻がひとこと話す。

「できるだけ体調の良い時期に実施してほしい。これが最後の選択肢。もう抗ガン剤はイヤ!」


「希望の持てる決断をすることが大事。もしも悪い芽が出た場合も後悔しない」


「『もしも』とは?」

「大出血の可能性が他の部位でもあります。肺は普通の経過と違う。ガンマナイフはキャンセルもできます」


「やることだけやらないと。状況が変われば中止すればいいのですね」

 昼前に次男から電話がある。

「宇多美母の電話番号を知らせてほしい」

「知らないよ」

「緊急の用件だ。仲がいい宇多美が理由は不明だけど退学を宣告されたんだ!」


 わたしは奥星余市PTA同期で最も顔の広い左藤母と木田母にメールする。

 左藤母からは携帯番号、木田母からはメールアドレスが届く。

 宇多美母には「息子にそちらの番号を知らせることをご了解ください」とメールしたうえで次男に連絡する。

「個人情報のことがあるので取り扱いには注意せよ」

「あーがと」

 しばらくして宇多美母から電話がある。

「息子がT先生と揉めて脚を蹴り、即『退学』と言われました」

 あまりにも気の毒で言葉がでない。

 木田母からは冷静なメールが届く。

「奥星余市は暴力と薬物を絶対に許さない。退学は免れないだろう。復学も本年度は無理。場合によっては同級生が卒業してから認められることもある」


 彼女は第41期の次男に続き、第45期に長女を入学させているので同校のことを熟知している。

 奥星余市は問題のある生徒でも必ず再生する学校と聞いていたのだが……。

 午後から出勤、14時から一切携帯を控える。

 19時半に会社を退出し、木田母と宇多美母にメールする。

 21時帰宅し、奥星余市のメーリングに目を通していると、横浜のマンションに住む従姉から連絡がある。


「病気に効く薬と水(天然水素水『Vana H』と健康ライフ応援サプリメント『ファースト・リーフ』)を宅急便で送るから受けとってね」


「ありがとうございます」

 急いで病院へ向かう。

 次男の電話を発端にあちこちへメールし、会社で仕事、帰宅してまた病院への往復という忙しい一日を終えた。

(つづく)※リブログ、リツイート歓迎

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