102.「病気になると感謝の気持ちが沸いてくる」

  1. 朝飯前の朝飯

「病気になると感謝の気持ちが沸いてくる」

 会社から帰宅後、三男とともに妻の病室へ急いだ。

 消灯までに30分しかないが、三男に母親の顔を見せることができて胸をなでおろす。

 妻は「感謝」のことばを何度も口にし、そのことを日記にもしたためていた。


「起きたときはいつもだるいがだんだん慣れてくる。ちょっと頭痛もするけど大丈夫。体重41.65キロ。朝は寒くてシャワーを浴びる気がしなくて、『三男は起きたかな? ここあの散歩に行ったかな?』と気になる。
 朝食は半分くらい食べたが気持ちが悪い。プリペランという薬を飲んだら胃がすっきりしてきた。今度は朝起きたらすぐ飲もうと思う。点滴とインターフェロン注射をすると手がぴりぴりと痛い。点滴中は、太陽の光を浴びると発疹ができたり、皮膚が赤くなったするらしい。ブラインドを閉めているから外の景色がよく見えない。下の隙間からかすかに見える。きょうは曇っているが、まだ雨は降っていないようだ。
 毎日がガンとの闘いだ。負けてたまるか!! ミラクルだと言われるぐらい健康な身体に生んでくれた母に感謝する。いま母は天国からわたしを見ていてくれている。『まだまだこっちにくるな。父がきてからにしてよ。わたしの娘だからがんばれる、大丈夫だ!』と言っていると思う。わたしだって長女に言ってるよ!! 『どんなことがあってもわたしの娘だから大丈夫だ』と。
 義父母、義妹さんにも感謝しています。本当にわたしは幸せ者だと思う。こんなに多額のお金を援助してもらい、手伝いにまできてくれてありがとうございます。人間って、わたしって、健康なときはその感謝の気持ちを忘れるんだよね。だめです。病気になると周りの人の優しさ、温かさがわかり、感謝の気持ちが沸いてきます」

 神様はなぜにこんなやさしい心の妻の体を病気でむしばむのか、悔しい。

(つづく)※リブログ、リツイート歓迎

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