愛犬と一緒に泣きたい心境だ!
瀬田クリニック新横浜で妻はアフェレシス(ギリシャ語で「分離」の意。血液中から血液成分、細胞成分を分離する。さらに分離した血漿成分から病気の原因となる液性因子を分離することを指す)で6回分の採血を行い、一時的だが少し貧血を起こした。
帰り際、今後の樹状細胞治療、皮下注射の日程を知らされる。
4月16日に入院し抗ガン剤を投与したあと、免疫細胞療法を行なう予定だ。
克本晋一医師へ免疫細胞療法のスケジュール等を伝えたところ下記の返信がある。
「アフェレシスのさいの貧血ですが、体外循環をするために循環血液量の変動があるかと思います。また、それ以上に大きな機械を使っての作業のため、精神的な緊張(普通の注射で針を刺した瞬間に気を失う人もまれではないです)も加味されていたかもしれません。治療の進めかたは、ご本人の考えを中心に、ご家族でよく話し合われてください」
千葉大病院へ入院の日となる。
妻を採血に向かわせ、わたしは東館9階に妻のバッグやミネラルウォーターを運ぶ。
窓口で病室を尋ね、912号室へ案内してもらう。
その後、妻から「皮膚科の待合室にいるから」とのCメールが入り待合室へ行くと、「天が二物」の稲澤万里医師に会い言葉を交わす。
そこへ克本医師と妻がきて、瀬田クリニックの投与日について立ち話し、妻が語る。
「これからレントゲンと心電図。入院するときは必ず行うことになっているのに、前回忘れたんだって。遅くきたのもあるけど、最初に言ってくれたらいいのにね」
レントゲンと心電図に付き合うため皮膚科の待合室に戻ると血液検査の結果がでていて、稲澤医師から「良好」と言われた。
妻と東棟9階の入院病棟の受付で寝間着等の注文を尋ねられる。
11階で昼食後、妻を病室へ送り届けると、千葉県柏市内のイベントに向かう。
船橋駅で東武野田線の電車にタッチの差で乗れず力なく座席に腰を降ろしたところで、妻からのメールを見て返信する。
「いつもありがとう。レントゲン検査の結果、肺の影が大きくなっている。抗ガン剤が効いているのかどうかわからない」
「医師から『抗ガン剤は3回以上で効き目がある』と言われている。心配しないで大丈夫だよ!」
イベントが20時終了し、妻に電話すると、早くも発熱し、つらそうだ。
その日の様子を妻は下記のようにまとめている。
「抗ガン剤2回目投与で入院。吐き気止め(前回より多め)、インターフェロン、ダカルバジン。回診で克本医師が来る。三連休だと、克本ワールドがあるね~。血液検査OK。レントゲンを見る限り前回1か月前よりいくらか陰の部分が大きくなっているが体調は悪くない。強い気持ちで今回も臨むぞ! レントゲン後、わりに体調が良いと言われたが、これはわたしの周りにいる人たちのおかげだ。みんなが応援してくれているからわたしは元気にならないといけない。ガンになんか負けてたまるか。がんばるぞ~~~!!」
克本ワールドとは、克本医師の独演会だろうか?
三男がひとりなので早く帰宅しようと思っていたが、東京駅22時発の特急わかしおになる。
家に着くと三男は食べた様子がなく小舟を曳いている。
起きている愛犬ここあが妻の入院、あるじ不在で悲しそうに啼いている。
こちらも泣きたい心境だ。
(つづく)※リブログ、リツイート歓迎