「ひとにはそれぞれ『結婚したい年』というのがあるんや」
こう切り出したのは、高嶋易断三世呑象の高嶋弘光氏だ。
自らが対談で登場した職業会計人対象の月刊誌で結婚情報サービスの広告を見て東京都千代田区神田神保町のビルへ来訪。
当時、入社1年で独身のわたしが結婚情報サービスの現場責任者をつとめていたので応対することになった。
高嶋氏は「結婚したい年」についてこう解説。
「男女とも人の幸・不幸は、結婚の成否によって決まるといっても過言ではない。見合い結婚がほとんど消え、自由恋愛が主流を占めてくると、出会いがないひとのために、あなた方の仕事はますます重要になるだろう。ひとにはそれぞれ『結婚したい年』、結婚時期の相性いうのがあるんや。好き合った男女でも一方は結婚したい、一方がまだと言えばうまくいかんもんや。たとえ最初は恋愛関係でなかったとしても、この『結婚したい年』が同じ男女は結婚生活が上手くいくんや。どれどれ。生年月日は? きみは29歳で結婚するとええなー」
そのときは易学にあまり興味がなく得体の知れない……とも思った。
だが、高嶋氏の「きみは29歳で結婚するとええなー」という言葉と鋭い眼光がその後も耳目に焼きつき、わたしは最初の会社、岡山県の同期の夫人に「女性を紹介してほしい」とたのんだ。
ふたりの遠距離恋愛がスタート。
双方の中間の愛知県犬山市の明治村でデートした際、わたしはにわか占い師となり彼女の手相を見た。
「知能線が長いねー。生命線はー?」
生命線が極端に短いのが気になったが、手相で人生が決まってたまるかとも思った。
その前後、彼女はわたしの顔でなく首・胸元をちらちら見るので気になって尋ねた。
「どうしたの?」
「U首シャツの間から白い下着が出ているのが気になって仕方がなかった」
「えっ、最初気づいたときに言ってくれればよかったのに」
「言えなかった」
彼女は相手に自分の意思を伝えるのを我慢する、気にしないでポンポン言うわたしとは性格が大きく異なることに気づいた。
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