202.「いつもギリギリにあげてくるタイプです」

  1. 朝飯前の朝飯

「いつもギリギリにあげてくるタイプです」

 きょうは三男の中学校の体育祭だ。

 料理本を見たりオリジナルで料理がじょうずだった亡き妻にはとてもかなうものではない。

 それでも塩水に手をつっこみ、炊いたばかりの温かいごはんをにぎり、そのなかに梅干しやシャケをいれ、海苔に少し水をひたして巻いて、おにぎり弁当の完成だ。

 あとは玉子焼きに、冷凍食品をチンして、タッパーへつめる。

 中学1年生の最初の競技に合わせて学校へ着き、リレーなど体育が得意な三男の躍動をニコンの一眼レフに収める。

 昼前に1年C組担任の荻原智恵子教諭が近づいてきたので会話する。

「おとうさん、ゼッケンを背中へ縫われたそうで大変でしたね」

「まさかゼッケンが前とは知りませんでした。野球脳ですね」

「1点、はずれていたのでわたしが縫っておきました」

「お手数をおかけしすみません。息子はどうですか?」

「リレー2種目にエントリーしたり大活躍です」

「リトルリーグ世界選手権大会でアメリカへ2週間行ったために夏休みの宿題を徹夜でしあげました」

「わたしもそう聞きました。息子さんはいつもギリギリにあげてくるタイプです。それでは頭にはいらないので、『あなたは実力があるので早くからとりくめばもっと完成度が高くなるし身につくのにもったいないねー』と話しています」

「おそれいります」

 転居、転校の話はまだ進んでいないので、きりださなかった。

 その後、三男が「弁当ちょうだい」と言ってやってきた。

 友だちと食べるようだ。

 わたしは体育祭を途中で切り上げ帰宅し、バタンキュー。

 家事・育児での睡眠不足を補うために、ベッドに横になると、死んだように眠りつづけた。

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