妻が昏睡で、千葉大病院へ救急搬送!
5月12日の朝を迎えた。
目覚まし時計を見ると6時20分なので三男を起こして朝食を食べさせ送りだす。
長女を起こしてノアへ同乗させ、大網駅まで道々話す。
「おかあさん大丈夫かな? いつもならプレゼントをあげたら喜んでくれるのに今回は『ありがとう』のひと言で2階へあがってしまった」
「そうだな。いつものおかあさんじゃない。いいときに帰省してくれた」
「社長に休暇を延ばしてもらうように話してみるよ」
「助かる。父からもお願いするので言ってくれ」
「わかった」
運転を代わり、わたしは会社へ行った。
昼過ぎに妻へメールしても返信がなく電話してもでない。
わたしは心配して長女へ電話した。
「おかあさんは大丈夫か?」
「ずっと寝たきりで、話しかけても、返事をしているのかどうかわからない。意識がもうろうとしている」
「救急車を呼んで、千葉大病院の皮膚科へ搬送してもらってくれ!」
「わかった! 千葉大が大丈夫か連絡する」
「よろしく頼む」
わたしは会社をひいて千葉大病院へ向かった。
救急車へ同乗した長女と一緒に上廣啓祐、克本晋一、滝田八重、小方渉の各医師の所見を聴く。
「おくさんの症状は、吐き気、食欲不振、記憶低下です。CT画像によると、脳の左側・大脳の位置に悪性黒色腫の転移が見られます。2月17日時点のCTにはなかったものです。いまの症状を軽くしたり、今後でてきた症状を緩和することが必要となります。ただ、脳のガン細胞をとりにいくには、肺をやられているから難しく、麻痺が残る可能性もあります。脳外科の判断です。放射線治療だと、あるときは小さくなっても、そのうち肥大化します。脱毛や、3~4週間後に皮膚炎を発症します。肺の症状が先に出ると思っていたら脳にいったので昏睡状態になりました。
きょうの点滴は、水、プリンペラン(吐き気止め)、グリセレブ(むくみ取り)、ガスター(医薬)、デキサート(抗ガン剤)です。
これまでおくさんは、抗ガン剤、免疫細胞療法とよくがんばりました。出血がないのが珍しいぐらいです。余力を残したからでしょう。これから限られた時間なので今後どうしたいか価値観や人生観を加味し、本人がご家族とともに決めていく問題です。『がんばりすぎるな!』と言いたい。
ターミナルケアの緩和科の病室は無料ですが5室のみ。1005号室あたりへ移動になります」
田川一真医師からはメールをいただき返信した。
「あす手術が16時くらいに終わりますので、18時過ぎくらいに病院へうかがいます。病室の部屋番号だけ教えてください」
「現状905号室です。近々、緩和科へ転科すれば1005号室あたりになるそうです」
そろそろ「ガンと闘う」旗を降ろさないといけないのだろうと観念するほど妻の救急車搬送は大きなインパクトがあった。
妻の無事をただただ祈るのみだ。
(つづく)※リブログ、リツイート歓迎