95.「育児書を開きながらあなたを育てた!」

  1. 朝飯前の朝飯

「育児書を開きながらあなたを育てた!」

 4月1日は年度替わりだ。

 千葉大病院の医師から「おくさんが健康ないま休暇をとらないほうがいい。これから寝たきりになるかもしれない。そのときはできるだけそばにいてあげられるように有給休暇を残しておいたほうがいい」と言われたことを思いだして残業すると、23時になる。

 その日の夕食は、大網駅に着いて構内のデイリーヤマザキのにぎり飯2個。

 家へ着いたのは日付けが変わった1時前、床に就いたのは1時30分だ。

 この間、奈良で新入社員研修を打ち上げた長女から次のメールがあった。

「大阪の会社で入社式があり、母親の文を代読する3人のうちのひとりに選ばれた。涙しながら読んだらみんなに感激してもらえた。いい会社に入社できてうれしい」

      ◇     ◇     ◇

長女へ

 いよいよ社会人1年生だね。おめでとう。あなたは四人姉弟のいちばん上で、母にとってはとても大切なただひとりの女の子です。

 初心者マークの母は何かあるたびに、育児書を開きながらあなたを育てました。

 慣れない関東で大変なこともありましたが、にこにことかわいい笑顔のあなたを見るたびにしあわせを感じていましたよ。

 小さいころは三人の弟の面倒もよく見てくれて、とても助かりました。

 いまでは、弟たち全員に背の高さだけは越されてしまいましたが、やはり何かあるとき中心になってくれるのは、おねえちゃんのあなたですよね。

 この前の母の誕生日のときもみんなで素敵な色紙をつくってくれてありがとう。

 2月中旬に母が病気になり、それからは家族全員が母のために家族一緒にいる時間を大切にしてくれたり、家事もみんなで分担し協力してくれたりと本当に感謝しています。

 そういうときに大阪勤務の話があり、あなたは本当にどうしようかと真剣に悩んだよね。

 ごめんね。心配かけて。

 わたしに相談してくれて「いいチャンスなんだから大阪に行きなさい」と言ったらすぐ会社に連絡したものね。

 これからもあなたらしく笑顔の素敵なみんなから好かれる女性になってね。

 母はいつもあなたのこと応援しているからね。

 あなたの成長する姿をまだまだ見届けないといけないから、元気になるようにがんばるからね。

 P.S. おっちょこちょいなので、部屋の鍵をくれぐれも落とさないようにね。 母より

(つづく)※リブログ、リツイート歓迎

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