258.「もみじ狩りに、だれかつれてって!」

  1. 朝飯前の朝飯

「もみじ狩りに、だれかつれてって!」

 雨ふりの一日で、これからでかけるのは少し憂鬱だなーと思ったが、元リッツ・カールトン日本支社長の高野登氏、ジェイカレッジ校長の松山真之介氏のおふたりからメルマガで講演会の案内が届いていたので、万難を排して行くべきだろうと思い、会社で少し残業して高田馬場へ向かった。

 ちょうど三男も塾があり夕食の心配もいらない。

 開会直前に着くと、うしろから「山ノ堀さんじゃない?」と声をかけられる。

 ふりかえると、奥星余市高校の笹原母だ。

「あっ、こんばんは」

 わたしは会釈をして座り、講演に集中しメモをとった。

 終わってわたしは笹原母に近寄り声をかけて世間話をした。

 次男のやんちゃぶりなどだ。

 その後、勇気をふりしぼって質問してみた。

「ごはんでもどうですか?」

「あっ、ごめんなさい。このあと予定があるので」

 これまで奥星余市高校PTAでも一度程度しかことばを交わしていなかったので当然だなと思い家路に着く。

 それからしばらくしてだ、当時としては国内登録者がまだ少なかったFacebookの「知り合いかも?」に笹原母の顔がでてきた。

 わたしはバカがつくほどの正直者で、知り合いに違いないと思い、顔写真の隣の「友達になる」をクリックする。

 ほどなくして笹原母が承認したので友だちになったが、彼女のタイムラインを見ると腹がたつ。

 彼女が「もみじ狩りに、だれ誰かつれてって!」とつぶやくと、男たちがばーっとコメントする。

 わたしが苦手なタイプが多い。

 これは敗けてなるものかと思い、わたしもコメントした。

「駒込の六義園はライトアップされてきれいですよ。きませんか?」

「ありがとう。日程があえばぜひ!」

 Facebookであまり知らない女性に連絡をとるときは緊張する。

 が、能動的に一歩踏み出せばこのFacebookのほうが結婚情報サービスよりも出会いが多いような気がした。

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