78.ビニール手袋がほしい!

  1. 朝飯前の朝飯

ビニール手袋がほしい!

 朝、三男を連れて千葉リトルリーグの喜多グラウンドへ向かう。

 前日の雨の影響で水浸しのグラウンドを前になかなか前向きになれないが、日ごろ手伝いを怠けているのでこういうときこそ親の役割を果たさないといけない。

 8時30分から約2時間かけてスポンジで水抜きをしたが、冷たい水がかじかんだ手指を刺し、ビニール手袋がほしいと思う。

 グラウンドに乾いた砂がまかれ、10時30分から元プロ野球パ・リーグシーズン最優秀勝率投手の高橋直樹氏が臨時ピッチングコーチとして選手たちを指導してくれた。

 コントロールのつけ方やカーブの投げ方の指導が的確で、チームの課題である投手のコントロールがみるみるうちに改善していく。

「ピッチャーのコントロールが悪いとキャッチャーが可哀想」という言葉はそのままキャッチャーを励ました。

 12時30分に昼食時間となり、三男には唐揚げ弁当の大盛りを注文していたが、わたしは頼まなかったので帰宅する。

 午後から妻の帰省のみやげを買いに出かけた。

 妻が「次男がバイクを買うために友だちから借りていたお金を返さないといけない」と言うので、「またか!」と悲しい思いになりながら郵便局で10万円降ろす。

 夕飯のおかずは妻がベッドから起きあがり腕によりをかけて、唐揚げをつくってくれた。

 三男は昼の弁当とかぶるが一切文句なく「おいしい」と言って食べる。

 わたしも「おかあさんの料理は最高だな!」と言う。

 次男は20時半に帰宅し、みんなは「21時までならいいじゃん」という雰囲気だが、わたしは「19時までに帰ってきて、みんなと一緒に食事しよう」と声をかける。

 昔なら反発した次男も、この日は「すみません」と素直に謝る。

 翌朝も雨がずっと降り続いている。

 妻がベッドの中で「きょう、野球休みだよね?」と尋ねたので、わたしは「ああ」と答えつつ、たぶんやるだろうなと思いながら連絡網を持つ。

 そのうち三男が「起きてよ!」と言ってきたので、わたしはベッドから起き上がり洗面する。

 次に「食べるものがない?」と訊くので、「冷蔵庫にお餅があるぞ」と言ってオーブントースターで焼いて食べる。

 今度は「早く行こう! 叱られるのはぼくなんだから」と言う。

 車で千葉、市原市内に入るにつれ、雨脚が早く、強まってきて、スピードも出せない。

 三男に「そんなに焦らなくても7時半までに着くよ」と言うと、「10分前までに集合しなきゃいけないんだから」と反論する。

 喜多グラウンドには7時25分着。

 既に多くの父兄や子どもたちが水抜きをしている。

 前日の苦い経験からビニール手袋を買っていたが、きのうの段階で「(翌日は)曇りのち夜半に雨」との予報だったので持参を失念した。

 2日続けて真冬の雨水の中へ素手を入れスポンジを絞るのはつらい。

 特にきょうは降雨が続いているので、吸ってもすっても水がこんこんと湧き出てくるのでむなしい。

 それにしても三男がリトルリーグの最上級生の土日曜は本当によく降る。

 東関東連盟に所属するチームは条件がほぼ同じだろうから、父兄の協力が強固なところや室内練習場が使えるチームが、最後は勝利するのだろうなと考えながら作業に精だす。

 雨脚がいっそう強くなる一方、中野リトルリーグのコーチから「うちの所沢グラウンドは雨が降っていないし水はけがいいですよ。こちらに来ませんか?」と誘いがきたらしい。

 徳川洋文監督は目を脚下からはずし、しばし天を仰ぎ、「よし、所沢へ行こう!」と断を下し、「配車しろ!」の声。

 監督夫人は、総務担当の為方夫人に命令。

 為方夫人が「車、出せる人?」と尋ねると6台が集まり、監督夫人に報告。

 わたしは妻が「帰ってきて」と言うので家へ戻り、大網駅で妻と長男の帰省のための切符を購入する。

 義兄にのぞみの岡山駅到着時刻を連絡すると、「妻(義姉)に送迎させるから」との返事がある。

 妻の実家も、妻の最後になるかもしれない帰省に心をくだいているようでありがたい。

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