29.三男退院後の深夜の授乳

  1. 朝飯前の朝飯

三男退院後の深夜の授乳

 海浜病院での三男の退院の日を迎えた。わたしが医療費支払い中に、母が三男へミルクを飲ませる。

 その後、佐久間瞬医師からミルクの授乳計画について教えを受ける。

「今週は1回55ミリグラムで3時間おきの8回です。急に増やさず、1週5~10ミリグラムずつ増量してください」

 当初、千葉大病院へ寄らない予定だったが、車を地下1階へ停め、妻に三男を見せる。

「あー、可愛い。前より肥えたみたい」

「2,800グラム超だからだろう。おれは毎日のように見ているので変化を感じないよ」

 前日、佐久間医師から「病院はバイ菌の巣窟のようなところです。お子さんを連れて行くのは感心しませんが」と言われていたので、短時間の面会だ。それでも妻が喜んでくれたのがなによりだ。

 18時に妻から電話がある。

「田川先生は急用で帰られ、『後日お話する』とのことなので、きょうはこなくて大丈夫よ」

「わかった。乾いた洗濯物を届ける目的で行こうと思っていたが、それならやめるよ」

 長女も長男も次男も、赤児の三男に充分注目しているので、母とわたしは3人に念を押す。

「汚い手や足で三男の部屋に入らないこと。友だちを部屋に入れないこと。三男にミルクだけでなく、お菓子などを与えないこと。いいな」

 母と夜中の授乳について話をする。

「過労で倒れないようにするために夜中の授乳を分担しよう」

「わたしがやるから大丈夫よ」

「仕事へ行かない日は、23時と2時に飲ませるから、5時にやってほしい」

 2時はさすがに眠い。ミルクを飲ませながら睡魔が襲ってくる。

   それにつられて三男も途中から眠り出し、なかなか飲まない。こちらの気合いのなさを見抜いているようだ。

  5時は母が起きてくれたらしい。わたしは朝起きて2階から母に向かって手を合わせた。

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